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徹底考察『ブレイキング・バッド 』ストーリーで残念な点解説!最終回の最後の結末ネタバレ

ブレイキング・バッドのアニメーション

コロナで自粛中に『ブレイキング・バッド 』をファイナルシーズンまで一気見してみて、とにかくとても面白かったわけだけど(素晴らしいポイントは無数)、ストーリーで残念だった点がいくつかあった。

前提として、脚本は緻密で世界中で大絶賛されていて、僕もそう思うのだけど、称賛はみんなしているので、敢えていくつか引っかかった残念な点を挙げていこうと思う。

ネタバレ有りなので、まだ『ブレイキング・バッド 』を見ていない人は注意してね。

 

ハンクがウォルターの麻薬製造に気がつかない

ブレイキング・バッドのハンク・シュレイダー

これは、結構多くの人が感じたのではないか?まあ、それを言ったらおしまいよ的な話題ではあるけれど(笑)

ウォルターの義弟でDEA捜査官のハンク。

最初の頃は、いかつくてお調子者なキャラかと思ったら、トゥコとの銃撃戦がトラウマになるなど、繊細な面もあったり、何より勘がめちゃくちゃ鋭く、頭もキレて、粘り強いという警察の資質が凝縮されたような人物。

にも関わらず、彼が1年半くらいウォルターの麻薬製造に気づかないのは、ちょっと違和感が残る。

ウォルターが麻薬王だと気付いたハンク

シーズン1の時点で、ウォルターは学校の化学の授業用機材を盗むなど、割とアウトなヒントを与えているので気付きそうなものだ。

ウォルターはかつて化学者として優秀だったことは知っているはずだし、95%以上の純度のメス(ドラッグ)は優秀な化学者じゃないと作れないとハンクも知っているはずなので、ウォルターは真っ先にハイゼンベルクの正体の候補に上がるはず。

加えてハンクは、麻薬がらみのチンピラ・ジェシーとウォルターの接点も知っている。

ハンクはガスが麻薬王だと目星をつけられたのだから、ウォルターも怪しいと思うはずだが…。肉親をかばう気持ちが、判断を鈍らせていたのかな。

ウォルターの最後の敵がリディアやジャックなどの小物

ブレイキング・バッドのリディア

ファイナルシーズンでは、仲間だったマイクを自ら殺したり、刑務所にいるマイクの仲間たちを手を回して全員殺したりしているので、ウォルターの“悪事”については申し分なく堪能できる。

しかし最終話で対決する相手が、ジャックやリディアという、シーズン5から初めて登場した小物たちなのが、ちょっとだけ残念だった。

シーズン4でウォルターが爆殺した影の麻薬王ガス・フリングと比較すると、明らかに小物だ。

最後に対決する相手が、長くブレイキング・バッドに登場しているハンクマイクジェシーだったら、もっとドラマティックになったような気がする。

予想通りのウォルターが破滅する最終回ラスト  

ウォルターの家のハイゼンベルクの落書き

これは人によって意見が割れると思うが、ウォルターが破滅していくラストは誰もがシーズン1から予想していたと思うので、もっと違うラストでも良かったと感じた。

例を挙げれば、ウォルターは犯した罪を隠し通し、見かけだけのハッピーエンドとかだと、もう少し予想外だっただろう。

もしくはジャックたちと対決するにしてもちょっと展開を変えて、他の州でハイゼンベルクとして性懲りもなくドラッグ製造してのし上がり、アルバカーキ(地元)に戻ってきて、ジャックやリディアを震えさせてから始末するとかね。

僕の予想(妄想)ではこの終わり方だった。

ラストは悪くないけど、若干素直すぎる結末だと思った。

ブレイキング・バッド ファイナルシーズンのウォルター・ホワイト

スカイラーの顔怖すぎ問題

ブレイキング・バッド スカイラー(アンナ・ガン)

シーズン4ぐらいから、スカイラーの表情が一気に変わった。

眉毛も薄くなったし、ウォルターと話すとき、ずっと目を見開いているのだ。ウォーキング・デッドのリックの奥さんローリみたいで怖い…。

とにかく、本人が追い詰められているとはいえ、何回もこの顔を見るのはちょっとキツイ。演技力はすごいんだけど、ライフポイントが削られてゆく。

ブレイキング・バッドの登場人物・スカイラー

こういうヒステリックな女性いるよねっていう意味ではリアリティあるんだけど、役者として評価されたくて、頑張りすぎた感じが否めない。

実際はスカイラー役のアンナ・ガンは『ブレイキング・バッド 』の演技で、2013年にエミー賞は受賞しており、演技力は評価されている。役としては認められている訳だ。

しかし、本国アメリカにはアンチ・スカイラーがめっちゃ多いらしい。

そもそもウォルターはソシオパスだけど、仮面を被っていて優しい表情も多いので、スカイラーの表情についても、そこまでリアル路線にしなくてもいい気がする。

資金洗浄で洗車場を買う大失敗

細かい点を言えば、ウォルターが麻薬で稼いだ金の資金洗浄のために、スカイラーが洗車場を買うという失敗を犯す意味がわからない。

洗車場では資金洗浄が全然間に合わないことが後になってから発覚、というのはおかしい。

いくらウォルターが前働いていた職場で怪しまれにくいからといっても、資金洗浄のために店を経営するのに、稼ぐ金に資金洗浄が追いつかなければ、真っ先に候補から外さなければならないだろう。

完全に本末転倒だ。

というかウォルターも、月にいくら稼ぐか、金額を言っていなかったのだろう。ウォルターもスカイラーも頭が良いはずなのにこのミスはおかしい。

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