Netflixドラマ『ジェネレーション56K』はイタリア:ナポリで暮らす男女の現在と過去の恋愛を
オシャレ恋愛ドラマ好きは必見です。
ちなみに、“56K”は1998年当時のインターネットの通信規格56kモデム(最大で56kbpsの通信速度)からきています。
つまりタイトルのジェネレーション56Kは、1998年当時にネットにハマった世代という意味です。
ネタバレなしの感想・評価、ストーリーあらすじネタバレ、本作のメッセージを徹底考察しています。
- Netflixドラマ『ジェネレーション56K』作品情報
- 『ジェネレーション56K』感想・評価
- 変わらない故郷に繋ぎ止められた恋心
- 20年かけて伝わった56Kの恋心
- 過去と未来をつなげるネット
- 『ジェネレーション56K』全8話ネタバレあらすじ
- 最後にまとめ
Netflixドラマ『ジェネレーション56K』作品情報
公開・制作国:2021年 Netflix イタリア
監督:フランチェスコ・カパルド
主演:アンジェロ・スパニョレッティ/役
出演:クリスティーナ・カペッリ/マティルダ役
『ジェネレーション56K』感想・評価
Netflixドラマ『ジェネレーション56K』評価は87点。
イタリアでしか作れないオシャレすぎる恋愛ドラマだといえるでしょう。
ナポリの美しすぎる街並みが、思春期と30代の恋愛を見守り続けるような作品です。
比較するとすれば、イーサン・ホーク主演の映画『ビフォア・サンライズ』シリーズ並みにオシャレ。
主人公ダニエルの現代と1998年の少年期を交互に映していきます。
冒頭に出てきた女性ローサは独白だけして舞台から消えるのかと思いきや、また再登場するのもツボ。
『ジェネレーション56K』は、個人的にもう1度見返したい味わい深い作品でした。
変わらない故郷に繋ぎ止められた恋心
ドラマ『ジェネレーション56K』は中学生と30代で体は変わっても、本当に大切なものは変わらないでいつもそばにあると伝えていたような気がします。
象徴的なのが、緑のビンに入っていたマティルダの絵ハガキでしょう。
ダニエルは「過去の君から完璧なタイミングでメッセージが届いた」と表現していました。
そして“変わらない大切なもの”はナポリ沖の故郷の島そのものとも捉えられます。
ナポリ沖の街は、ダニエルとマティルダ、そして住民たちを長い年月見守り、いつまでも包み込んでくれているようです。
まるでゆりかごのような場所ですね。
映画『安全の対価』とかもそうでしたけど、イタリアの作品って街並み自体が見応えがあって、さらに風景によってテーマ性まで引き出される強みがありますね!
20年かけて伝わった56Kの恋心
『ジェネレーション56K』の、56kは1998年当時の遅い通信規格のことです。
ダニエルは1枚のエロ写真を見るのにも、長い間画面の前で待っていました。
この56Kの遅さは、1998年当時ダイレクトに心を通わせられなかったダニエルとマティルダの恋心を表しているようですね。
2人の恋心は56kモデムの速度で、20年かけてお互いの心にやっと届いたのではないでしょうか。
そう考えるとテーマ性のある秀逸なタイトルです。
過去と未来をつなげるネット
バーの店長チロの緑のビンは、過去のマティルダから未来のダニエルへメッセージを伝えました。
ダニエルはそれをヒントにアプリを作ります。
考えてみると、ネットには過去の発言や投稿がずっと残るわけです。
そういった意味で、ネットは緑のビンと同じように過去と未来をつなげる道具だといえます。
このドラマに気付かされました。
インターネットは今を消費するだけでなく、もっと有益な使い方もできそうですね。
『ジェネレーション56K』全8話ネタバレあらすじ
1998年
中学生・ダニエルは、ナポリ沖の島に住んでいました。
父ブルーノがパソコンをインターネットにつなぎます。
ダニエルはネットに衝撃を受け、仲間のルーたちとネットでエロ写真をフロッピーディスクに入れ、同級生たちに売り捌きます。
ダニエルの同級生・マティルダはローマで撮影中の役者の父に会いに行き、帰りに絵ハガキを買ってダニエルにラブレターを書きます。
しかし、ダニエルがマティルダの親友イネスが好きなのを知り、ハガキをチロの飲み屋にある大きな緑のビン(タイムカプセル)の中に入れました。
街の人たちは秘密を次世代に託すため、紙に書いてそのビンに入れていたのです。
屋上で寝っ転がっているマティルダのそばにダニエルがやってきました。マティルダは彼にファーストキスをします。
現在(20年後)
ナポリのIT企業にアプリ開発担当として勤めるダニエルは、マッチングアプリで出会ったローサと一夜を共にしようとしますが、彼女は「親友のシモーナが事故った」と言って帰ってしまいます。
次にアプリで出会った女性マグダとはとても楽しくデートができ、ダニエルは運命を感じました。
しかしその夜、アプリでマグダから「行けなくてごめん」と連絡が来ます。
ダニエルがデートしたのはマグダではなかったのです。
ダニエルはバーでスタッフに頼み込み、マグダだと思っていた女性がナポリ沖の島の同郷の女性マティルダだと知ります。
マティルダはアンティーク品の修理士として働いていました。初恋の男性ダニエルに心惹かれていましたが、エネーアという婚約者と挙式予定です。
10年以上前に家を出て行った父ファウストが挙式のことを聞き、マティルダに車をプレゼント。
しかし父を許していないマティルダは車を返しに彼の家まで行きます。大喧嘩したあと、仲直りしました。
ダニエルはSNSでマティルダの連絡先を突き止めて会い、「好きだ」と告白してキス。
しかしマティルダは付き合えないと言いました。
そんなとき、ダニエルは以前あった女性ローサと再会し、彼女に連れられてある民家のプールで激しいキスをします。
しかしそこはローサの元カレの家で、ダニエルは2人の喧嘩に巻き込まれることに。
そんな中、ダニエルの名付け親で島でバーを営んでいたチロが死に、彼の葬式が行われます。
チロは生前大きな緑のビン(タイムカプセル)を店に置いていて、島中の人たちがそこに秘密を書いた紙を入れており、ダニエルはそのビンを引き取ります。
ビンの中からマティルダが中学生のときに書いた手紙を見つけ、ダニエルは彼女のもとへ。
ダニエルはマティルダにやり直せると言い、バイクに乗せてアパートへ。しかしエレベーターが故障してしまいます。
2人はそこで熱いキスを交わしました。ダニエルの親がエレベーターを開けてくれます。
後日、マティルダは婚約者エネーアと別れることを決めダニエルにキスをしました。
しかしマティルダは、骨董品修理についてもっと学ぶためパリへ行くと言います。
ダニエルは「パリは飛行機で2時間だ」と言ってマティルダにキスをしました。
後日、ダニエルはチロのビンのアイデアをもとに、その時の気持ちを数週間後でも数年後でも、時間を指定して相手にメッセージを送れるアプリを開発します。
Netflixドラマ『ジェネレーション56K』END!
最後にまとめ
『ジェネレーション56K』は、イタリア:ナポリの街が男女の過去と現在を繋ぎ止めたようなオシャレで素敵な恋愛ドラマでした。
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