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最終章は最悪な結末!?ゲーム・オブ・スローンズシーズン8酷評の理由を挙げて反論してみた

ゲーム・オブ・スローンズ8最終話

ゲーム・オブ・スローンズ シーズン8最終章を見終わって、個人的には大満足できた。しかしネットで評価を見ると、完全に酷評されている…。

大手海外レビューサイト「ロットントマトズ」では、他のシーズンは支持率90点以上なのに、シーズン8だけ58点。激下がりである。

確かに批判されている部分は、自分も頷けるところがあった。しかしここまで酷評とは…マジか…。

酷評されているパートは見方を変えれば、素敵な思い出になるのでは?と思い、低評価に対する擁護をしてみた。

まずは、いろいろ記事を読んだ上でわかった、ゲーム・オブ・スローンズ酷評の根本的な要因を提示し、それから個別の事例について反論していく。

例によって、あらすじの完全ネタバレ有りなので注意してほしい。

 

ファンと製作陣の根本的なジャンルとベクトルのズレ

なぜゲーム・オブ・スローンズの最終章は酷評されたのか。

結論から先に言ってしまうと、ゲーム・オブ・スローンズファンは、ファンタジーとしての結末を求めていたが、製作陣はヒューマンドラマとして終わらせてしまったからだ。(相反するジャンルではないが、どちらの要素が多かったかという意味で)

ファンタジーとヒューマンドラマでは、求められる心理描写がまったく異なってくる。

そもそもファンと製作陣で、最終話で目指すジャンル自体が違ったのだ。

ゲーム・オブ・スローンズはヒューマンドラマとして見れば、悪くない終わり方だったと思うが、ファンタジー要素を求めていたファンにとっては、最悪!となってしまったのだろう。

各登場人物に対して十分なラストが描けていない

ヒューマンドラマとしてみた場合も、ゲーム・オブ・スローンズには登場人物が多すぎるせいで、各キャラクターに対する十分な時間が与えられていない。これはまぎれもない事実だ。

例えば、アリアハウンドのレッドキープでの別れのシーンなど、人によってはさらっと終わり過ぎていると感じたかもしれない。

ブロンに至っては、最終話近辺で何をしていたか描かれていない…。

各キャラクターの熱心なファンは、激怒したことだろう。

次の項目からは、ゲーム・オブ・スローンズ最終章の脚本でどの辺が酷評さているか具体的に挙げて、それを頑張って擁護していきたいと思う。

北の女王となったサンサ・スターク

デナーリスがまさかのマッドクイーン化

マッドクイーン デナーリス・ターガリエン

ゲーム・オブ・スローンズ最終章の最悪な展開として、デナーリス・ターガリエンのマッドクイーン(狂った女王)化が挙げられる。サーセイがいるレッドキープを攻める際、軍は降伏してこれ以上戦う必要がなかったにも関わらず、デナーリスが城内や周辺にいる住民ごとドラゴンの炎で虐殺したというものだ。

アスタポアやミーリーンなど、奴隷商人湾で奴隷解放を叫んで慈悲ある女王として描かれていたデナーリスが、人民を虐殺するなんてあり得ない!ということで批判が殺到した。

確かに人民大量虐殺はやり過ぎだった。しかし、デナーリスの軌跡を観察していくと、狂王と呼ばれたエイリスの血をしっかり引いていることがわかる。

城を焼くデナーリスとドラゴン

権力が確立してからは服従か死という選択肢しかない

彼女はゲーム・オブ・スローンズシーズン4第6話でわかる通り、ミーリーンで奴隷解放に際して、奴隷を大切に扱っていた親方まで磔にして殺している

デナーリスというキャラクターは素晴らしいが、アホな兄貴・ヴィセーリスと育ったせいか、決して頭は良いとは言えず、個別の事例などは細かく考えられない。

他のシーズンを見ても、権力を持ってからは基本的に殺すか服従させるかの2択しか選ばせていない。初期は奴隷たちに「お前たちは自由だ!」と言っていたが、そもそも奴隷が急に自由になったところで生きてはいけないだろう。

デナーリスは、奴隷解放という響きや、権力に酔っている苛烈な思想の持ち主だったのだ(そのキャラが良さでもある)。

デナーリスがマッドクイーンになる動機は十分

ドラゴンに乗ったデナーリス

そんな彼女が、生涯熱望していた鉄の玉座に座る寸前、恋人のジョン・スノウ(エイゴン・ターガリエン)が真の継承者だと知ったことは、自分の存在意義を根本から覆される異常事態

ジョンの存在によって精神を大きく蝕まれていたことは確実だろう(そもそもジョンが黙っておけばよかった)。

メンタルボロボロの状態で、さらに親友だったミッサンディの斬首…。理性が一気に崩壊して狂ってしまったのだと思う。このダブルパンチでおかしな行動に出るのは、ヒューマンドラマ的に考えれば別におかしくはない。

奇しくも、デナーリスが乗ったドラゴンの炎は、狂王エイリスが王都に作ったワイルドファイアを爆発させ、街の被害を大きくしてた。

彼女の本質は、生まれながらにしてマッドクイーンだったのである。

ただ、ファンタジーとしての終幕を考えると、デナーリスは狂王の血に惑わされず、よき女王として人民を統治した!という結末も有り得た。そんなラストを夢見ていたファンからすると、「ひど過ぎるー!!!!」となったのだろう。

玉座は破壊され、ブランが新王になったことへの不満

玉座を破壊するドラゴン ゲーム・オブ・スローンズ8

ゲーム・オブ・スローンズのシーズン1から、最終章で誰が鉄の玉座に座るのか?というのが視聴者の大きな関心だったようで、それがブランだったことに対する不満が爆発したようだ。

確かにブランは、もはやブランでなく“三つ目の鴉”となり、中身は完全に別人。「蚊帳の外から来た人物が王になるなんて冗談じゃない!」ということだろう。

ブランが王になるならない以前に、ドラゴンによって鉄の玉座が破壊されてしまったという問題がある。ドラゴンが玉座を破壊したのは、王の座は争いしか生まず、意味がないというメッセージではないだろうか。よくある大人の結論だ。

王の座(権力)は無意味だというテーマを踏まえれば、一番物知りなブラン(三つ目の鴉)が王になるのは理に適っている。

しかし、一方で『ゲーム・オブ・スローンズ(王座争奪戦)』という王座が重要とされたドラマのラストで、王座に意味ナシというメッセージは、期待外れと言えば期待はずれかもしれない。

サーセイとジェイミーの死亡シーン

サーセイ・ラニスター

ドラマゲーム・オブ・スローンズの憎まれ役だったサーセイが、ジェイミーと抱き合ったまま瓦礫に埋れて死ぬという結末に対しても、納得いかない人が多かったようだ。カタルシスが無いかららしい。

ゲーム・オブ・スローンズの諸悪の根源であったサーセイは、デナーリスかアリアに処刑されるべきだったという意見が非常に多かった。

ジェイミーについても、「ブライエニーとくっついたのに、サーセイのところに戻ってるんじゃねえ!」というよ「結局悪者のまま死ぬのかよ!」みたいな意見が多かった。

これは、サーセイとジェイミーを別々に見えるからそう感じるのであって、二人を合わせて考えると、倫理観を超えた詩的な“死”の表現だと考えられる。

ジェイミーは、単純にサーセイが好きだからブライエニーのもとを離れたのではなく、サーセイがすべてを敵にまわして死ぬとき、自分だけは側にいてあげようと考えたのだ。双子として一緒に生まれたから死ぬときも一緒だという、恋愛感情というよりは慈愛に近い。

サーセイに抱きつくジェイミー

ジェイミーが慈愛を持ってサーセイを抱きしめたからこそ、サーセイは冷酷な女王という服を脱ぎ捨て、一人の人間として死ぬことができた。

そういう意味では救いようのあるラストだったと思う。

サーセイを、悪女的なパーソナリティだけで捉えてしまうと、勝手に死ぬな!みたいな感想になってしまう。

しかし、見方を変えれば、サーセイも運命の歯車で苦しんでいて、愛する人によって苦しみから解放されたという慈悲深さがテーマなのだ。

サーセイ・ラニスター

おまけ:フェミニストからの批判

ゲーム・オブ・スローンズは、女性が裸を見せるシーンが多いということで批判される一方、デナーリスに代表されるように立場の弱い女性が奴隷を解放していくという、非常にフェミニズム色の強いドラマでもあった。

女王、娼婦、奴隷、剣士まで、様々な身分の女性がプライドを持って、男性を凌駕する逞しい活躍を見せるのだ。ある面、真の男女平等を描いていたドラマだと言える。

しかし、シーズン8最終章ではフェミニズムの代表格だったデナーリスが、人民を大虐殺して、ジョンに殺されるという悲しいラストに…。

結末の完成度はともかく、この結末だと女性やフェミニストからの批判は多かったのではないか?と思った。

(注:女性やフェミニストを蔑視しているわけではありません)

ゲーム・オブ・スローンズ最終章酷評の理由と擁護のまとめ

ここでゲーム・オブ・スローンズの最終章が酷評された理由をまとめてみよう。

  1. ファンと製作者のベクトルの違い
  2. 登場人物それぞれの結末を描く時間が足りなかった
  3. キャラクターの言動が崩壊している

最終章擁護派の僕の意見を順番に書いていくと、

  1. ヒューマンドラマ目線で見ると納得できる
  2. それぞれの結末のシーンは短かいが、練られていて適切だった
  3. キャラクターの2面性を考えると言動は崩壊していない

となる。

いろんな意見があると思うが、ゲーム・オブ・スローンズのスタッフやキャストに対する感謝の気持ちを込めて、この記事を書いてみた。

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