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韓国ドラマ『キム秘書はいったいなぜ?』考察/ミソとヨンジュンの関係解説/日本ドラマとの違いを比較

人気韓国ドラマ『キム秘書はいったいなぜ?』(キム秘書がなぜそうか)は、非常に完成度の高いラブコメだった。そこでで、本ドラマのどこが優れているのか?なぜ人気なのか?徹底考察してみる。

さらに日本のドラマとの比較も独自視点でしてみた。

ネタバレ有りなので、まだこのドラマを観てない人は注意してね!

(あらすじや感想を読みたい人は下記の記事へ)

cinemag.hatenablog.com

 

学歴がなくても幸せをつかんだミソ

キム秘書は一体なぜ?登場人物相関図

韓国は言わずと知れた超学歴社会。大学入試の点数が人生を左右するというから恐ろしい。

一方『キム秘書はいったいなぜ?』では、パク・ミニョンが演じたヒロインのキム・ミソは高卒で、学歴ゼロである。

そんな彼女が努力と器量で苦難を乗り越えていく姿は、学歴などなくても幸せになれるという心強いメッセージでもあるのだ。

韓国でも日本でも、学歴にコンプレックスを持っている人なら、この設定に共感せずにはいられなかったはず!

 

男女問わず人気のキム・ミソ秘書

パク・ミニョンとパク・ソジュン

ヒロインのキム・ミソは、男からも女からも好かれる絶妙なキャラクターだった。ミソというキャラクターのどこがよかったのか?男性視聴者と女性視聴者の目線から考えてみよう。

男性から見た理想の女性ミソ

男性目線では、ミソが容姿端麗なのはもちろん、

  • 恋愛経験がない
  • 世話を焼いてくれる
  • 頭の回転が早い
  • 陰口を叩かない

主に上記の点が、男性から支持されるポイントだと思う。現実にはこのような女性は恐らくいないが、ミソにはその要素が完璧に盛り込まれている。

キム秘書は、男性から見て理想の女性なのだ。

女性が共感できる要素もたくさん

ミソに男性の理想だけ盛り込まれていたなら、女性視聴者からは、「こんな女いねえよ!」と嫌われてしまうかもしれない。

しかしミソは、女性から見ても魅力的な人物になっている。

  • 末娘で姉や父のために借金返済で苦労した
  • 自分の人生を歩めていない
  • 仕事ができる
  • 部下思いで情に熱い

このような特徴のおかげで、女性から“嫉妬”の対象になるどころか、共感して応援せずにはいられないキャラクターになっているのだ。

男性目線と女性目線でヒロインのキム・ミソを見たとき、どれほどキャラクターとして完成度が高いかお分かりいただけただろう。

男が惚れる男、ヨンジュン

パク・ソジュン

次はパク・ソジュンが演じた主人公のヨンジュンについて、男女別々の目線で考察してみる。

まず女性から見て魅力的なポイントからあげてみよう。

女性から見た理想の男性・ヨンジュン

女性視点でヨンジュンを考えるとわかりやすい。

  • 財閥の御曹司で超金持ち
  • 背が高くてイケメン
  • 優秀な頭脳で仕事ができる
  • 女性の願いを、財力とアイデアですべて叶えてくれる
  • 女性の家族にも優しい
  • 子どもの頃からの運命の人

女性を魅了するすべてを兼ね備えている。しかしヨンジュンの魅力はこれだけではない。

男性から見てもヨンジュンはカッコイイ

イ・ヨンジュン

筆者は男なので、ヨンジュンが男から見ても素晴らしい人物だと良くわかる。具体例を挙げてみよう。

  • ミソのトラウマを呼び覚まさないよう、真実を語らない漢気
  • 兄ソンヨンとの和解でも、女々しく泣かない
  • 失敗を受け入れ、同じミスを繰り返さない
  • 素直に相手に謝れる

見かけは細くて分かりにくいが、シティーハンターの主人公・冴羽獠のようなハードボイルドさをしっかり兼ね備えているのだ。器が広いというと分かりやすい。まさにヨンジュンは、男の中の男だといえるだろう。

同じくパク・ソジュンが演じたドラマ『梨泰院クラス』の主人公パク・セロイも似たような性格で、器も広い。ヨンジュンからナルシスト要素だけ引いた感じ。

誘拐トラウマ設定の巧みさ

はっきり言って、キム・ミソとヨンジュンのキャラクターが、女性からも男性からも支持されるからというだけでは、少女漫画を3D化しただけの“そこそこ”のドラマで終わってしまう。

何故ならそれだけでは、財閥の御曹司で完璧な男性・ヨンジュンが、ミソひと筋という点にリアリティがなくなるからだ。

リアリティを付け加えているのが、ヨンジュンの誘拐トラウマ設定。この設定が秀逸だったからこそ、人々は『キム秘書はいったいなぜ?』のストーリーに没頭できたのだと思う。

具体的に述べると、“誘拐した女性が目の前で首を吊る”という衝撃的な過去により、ヨンジュンがトラウマ持ちで、女嫌いのキャラクター設定にリアリティができた。

これが例えば、“誘拐されて縛られただけ”とかなら、ヨンジュンのキャラのリアリティが半減していたはずだ。過去の設定や見せ方は本当に素晴らしかった。

日本のドラマとの違い、主人公2人だけにスポット

韓国ドラマ『キム秘書はいったいなぜ?』を見終わった後に、日本の恋愛ドラマとどう違うのか考えて見た。

結論からいうと、『キム秘書はいったいなぜ?』は日本のドラマと比較して、圧倒的に主人公とヒロインにスポットが当たっている時間が長い

良い悪いは別として、日本のドラマは恋愛ライバルなど、他の人物描写も時間を使って深く掘り下げるが、「キム秘書」の場合はライバルの兄・ソンヨン主体のシーンでさえかなり少ない。

他の登場人物の恋愛や人柄についても、“箸置き程度”にさらっと入っているだけで、ほとんどがミソとヨンジュンのシーン。

つまり、圧倒的にシンプルで主人公とヒロインに感情移入しやすいのだ。

日本のドラマに、場所や人物などがふんだんに盛り込まれていて複雑なのは、お国柄だろうか(これはこれで楽しいのだが)。

ただキム秘書の方は『愛の不時着』などと比べても、他キャラの描写が少ない。

日本と韓国の違いが少しわかる気がして興味深い。

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