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つまらない?映画『オンザハイウェイその夜86分』あらすじネタバレ解説・考察!ワンシュチュエーション演技・脚本の評価・感想

『オン・ザ・ハイウェイその夜、86分』のトム・ハーディ

トム・ハーディが車の中で電話するだけという、究極のワンシュチュエーション映画『オンザハイウェイその夜、86分』(原題:Locke)を視聴。

ざっくり説明するとトム・ハーディが車内から電話で、家や会社、病院に電話を繰り返しながら精神的に追い詰められていくという内容。

映画にエンタメ性を求める人は、もしかするとつまらないと感じてしまうかもしれない。

しかし、スティーヴン・ナイトの脚本やトム・ハーディの演技もあって心理描写が 素晴らしい。

 

キャスト/基本情報

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車を運転するトム・ハーディ『オン・ザ・ハイウェイその夜、86分』

  • 監督・脚本/スティーヴン・ナイト
  • 主演/トム・ハーディ
  • 声の出演/トム・ホランド、オリヴィア・コールマン、ルース・ウィルソン、アンドリュー・スコット
  • 撮影/ハリス・ザンバーラウコス

監督・脚本のスティーヴン・ナイトは、アカデミー賞作品賞を受賞した『イースタン・プロミス』(2007)の脚本を書いた人。

主演のトム・ハーディは『マッド・マックス 怒りのデスロード』で一世を風靡した俳優。『インセプション』『裏切りのサーカス』最近はマーベルの『ヴェノム』『ダークナイトライジング』『ダンケルク』とかに出てます。とにかくゴツくて渋くて男前な俳優。

さらに電話の向こうの主人公の息子役でマーベル『スパイダーマン』シリーズや『悪魔はいつもそこに』で知られるトム・ホランドが出演。

映画『オンザハイウェイ』ネタバレ解説!すべて失った男が最後に得た光

『オン・ザ・ハイウェイその夜、86分』のトム・ハーディ

あらすじを読んでもらうとわかると思うが、この映画はハイウェイを走る車内でロック(トム・ハーディ)のストレスや絶望が、ひたすら膨張していくという話。

生まれてくる子供を見捨てない!という信念のために、順調だった仕事を失い、妻から離婚を突きつけられる。

1時間ちょっと車に乗っている間に、彼の人生はレールから脱線してしまうのだ。

オン・ザ・ハイウェイその夜、86分の車

しかし最後がすごい。

すべてを失い、手術をしているはずのベッサンから電話…。まさか彼女か子供の容態に何かあったのか?ハイウェイを抜けた彼を待つのは、完全なる絶望なのか?

そう思わせておいて、そこで子供の泣き声が聞こえてくるわけだ。

人が死ぬとか、殺人とか大きな規模の話ではないけど、忘れていた何かにふと気づかされるような素敵なラストだった。

詩的に解釈するなら、

どこまでも続く暗いハイウェイが、ホタルのように一瞬だけ輝く

そんな映画。

『オンザハイウェイ』ネタバレ考察/主人公アイヴァン・ロックの人間性

オン・ザ・ハイウェイその夜、86分

『オンザハイウェイその夜、86分』がなぜ車内のみのワンシュチュエーションで上手くいったか具体的に述べるなら、やはり主人公の人間力だろう。

具体的にどの部分から人間性が垣間見えるか

  • 仕事を無茶振りされて文句を言いつつも、ロックの言う事を聞く部下・ドナル
  • 一夜限りの関係に関わらず、ロックを信頼するべネッサ
  • 父の浮気を知っても電話で励ます息子エディ

確かに浮気はいけないが、電話の向こうの言葉から、彼がどんなに立派な人物であるかがわかってくる。

主人公 オン・ザ・ハイウェイその夜、86分

だからこそ、最後に赤ちゃんの泣き声が聞こえたときに、彼を救いの光が包んだようで、見てる側は純度の極めて高い高揚感を得られたのではないか。

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『オンザハイウェイその夜、86分』あらすじ完全ネタバレ解説

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あらすじ1:孤独のハイウェイ

アイヴァン・ロック(トム・ハーディ)『オン・ザ・ハイウェイその夜、86分』

アイヴァン・ロック(トム・ハーディ)は、夜のハイウェイをロンドンまでひた走る。

数ヶ月前のたった1度の浮気が原因で妊娠させてしまった女性ベッサン(オリヴィア・コールマン)が急遽破水したのだ。

明日は、ヨーロッパで過去最大規模のコンクリート流し込み工事が行われる予定で、ロックはその現場責任者だったが、独りきりで身寄りもなく自分の子どもを産むベッサンを精神的にサポートすることを決断。

あらすじ2:ロックの過去

オン・ザ・ハイウェイその夜、86分 トム・ハーディ

ロックは自分を捨てた父親を心の奥底で心底憎んでおり、父親のような人間になりたくないと、ベッサンの元へ向かうことにしたのだ。

コンクリート流し込みの現場監督は、部下のドナルに任せることにした。電話で指示を出すが、ドナルは酒を飲んでおり、不測の事態もあって明日のための確認作業は難航する。

あらすじ3:ロックが見た光

主人公ロック オン・ザ・ハイウェイその夜、86分

ベッサンの病院から電話があり、臍の緒が胎児の首に絡まっているので帝王切開が必要だと言われる。ロックは渋るベッサンを説得し、帝王切開を医師に依頼。

家に電話し、妻のカトリーナに過ちを弁解するロック。しかし電話は切れ、彼女は離婚を選択した。

さらに上司のガレスから電話がかかってきて、ロックはクビを宣告される。

高速を降り、1本の電話が入った。ベッサンだ。元気な赤ん坊の声が聞こえてきた。

〜映画オンザハイウェイ 完〜

『オンザハイウェイその夜、86分』感想や評価

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オン・ザ・ハイウェイその夜、86分

 

 

ネットやtwitter上でも、トム・ハーディの演技力を褒めている人が多かった。

オンザハイウェイその夜、86分の感想・評価まとめ

オン・ザ・ハイウェイその夜、86分

トム・ハーディの演技力、スティーヴン・ナイト緻密な脚本が上手く融合したのがこの映画『オンザハイウェイその夜、86分』という映画だろう。

モノローグなどで自分語りはしなくても、電話をする相手との関係性で主人公アイヴァン・ロックの力強い人間性と、心理的な変化が垣間見える作品。

映画の可能性を広げてくれた映画だと言えるだろう。

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