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『パラサイト半地下の家族』大ヒットした理由/石の意味考察,あらすじ完全ネタバレ!ポン・ジュノ監督の計算

映画『パラサイト 半地下の家族』

映画『パラサイト 半地下の家族』を劇場で見たときも衝撃を受けたが、U-NEXTで配信されていたのでもう一度見直してみた。

改めて見るとなぜアカデミー作品賞をとるほど評価されたのか、理由が明確にわかってくる。

感想などを綴っていく。

 

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パラサイト半地下の家族

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『パラサイト 半地下の家族』あらすじネタバレ

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あらすじネタバレ1:「半地下の家族の作戦」

パラサイト半地下の家族

半地下に住むキム・ギテク(ソン・ガンホ)の一家は、全員無職で貧乏。仕事もなく、2人の子どもは進学もできていない。

ある日、長男のギウ(チェ・ウシク)は友人・ミニョク(パク・ソジュン)の紹介で、大学生だと偽って、高台の豪邸の金持ちパク家の長女ダヘ(チョン・ジソ)の家庭教師となる。

パラサイト 半地下の家族 ギウとダヘ

パク・ヨンギョ夫人(チョ・ヨジョン)が騙されやすい性格だと考えたギウは、妹のギウ(チェ・ウシク)を、パク家の長男ダソン(チョン・ヒョンジュン)の美術教師に。ギウの作戦で父のギテクをパク家の家長ドンイク(イ・ソンギュン)の専属運転手に。

パラサイト 半地下の家族 ヨンギョ、ギジョン、ムングァン

さらにキム家の3人は共謀し、家政婦のムングァン(イ・ジョンウン)をクビに仕向け、母チュンスク(チャン・ヘジン)を家政婦として雇わせることに成功。

キム一家は偽名と身分詐称で、全員パク家での仕事にありついた。

あらすじネタバレ2:「地下の男」

パク一家が長男ダソンの誕生日で、泊まりでキャンプに行った夜、キム一家は大きなリビングで酒盛りをして有頂天気分に浸っていた。外には雨が降りしきる中、元家政婦のムングァンがずぶ濡れでインターフォンを押す。

母チュンスクが対応し、忘れ物を取りに来たというムングァンは地下倉庫へ。2人で棚を動かすと扉が現れた。下へ降りていくと餓死寸前の男が横たわっている。

ムングァンの夫のオ・グンセ(パク・ミョンフン)だった。チュンスクが問いただすと、ムングァンは借金取りに追われている夫を、パク一家に内緒で地下にシェルターに匿っていたと明かす。

ムングァンはパク一家が来る前からこの家に家政婦として勤めていて、パク一家には地下シェルターの存在を教えなかったらしい。

様子を見にきたギテク、ギウ、ギジョンが階段で転んだ。ムングァンは4人が家族だと気づき、スマホで動画をヨンギョ夫人に送ると脅す。

豪邸の地下 パラサイト 半地下の家族

キム一家はリビングで縛られるが、ムングァンの隙をついて大乱闘が勃発。そのときに、ヨンギョ夫人からの電話が鳴り、大雨で帰る途中であと10分で家に着くから夜食を作れと言われた。

チュンスクはムングァンを地下室への階段で突き落とした。ギテクはムングァンの夫を地下で縛り、リビングに隠れる。

ムングァンは頭を打ち、夫グンセの前で死亡。

あらすじネタバレ3:「ギテクの闇」

パク一家が帰宅。チュンスク以外の3人はリビングのテーブルの下に隠れた。ドンイクはギテクがすぐ近くにいることに気づかず、ギテクの臭いに嫌悪を覚えると発言。ソファでヨンギョ夫人といちゃつき始める。

ギテクたちは、どうにかパク一家が寝るまでやり過ごした。外に出て大雨の中半地下の家に戻るが、半地下の家は水に浸かっており、近くの体育館へ避難。ギウはなぜか、ミニョクにもらった重い石を持っている。

ギテク パラサイト 半地下の家族

翌日、ヨンギョ夫人は息子ダソンのサプライズパーティーを思い立ち、運転手のギテクを呼び出して買い物をさせる。長女ダヘと恋愛関係にあったギウと、ダソンの美術教師のギジョンもパク家に呼び出した。

ギウはなぜか重い石を持ち、地下へ。するとムングァンは死んでおり、拘束を解いた夫のグンセによって石で頭を殴られて重傷を負ってしまう。

グンセは半狂乱となっており、地下から出てパーティー中の庭で包丁を振り回した。

周囲はパニックになり、ギジョンが刺されてしまう。

ギテクがグンセを刺し殺すが、グンセの臭いに嫌悪感を覚えたドンイクを見てかっとなったギテクは、衝動的に彼を殺した。ギテクは逃亡。

パラサイトのラスト結末

ギウはダヘに助けられ、手術で一命を取り留めていたが、後遺症でギジョンが死んだと聞いても笑ってしまう。

ギウとチュンスク

キム家の事件は明るみに出て、裁判になったが、ギウとチュンスクは執行猶予となった。

ギウは冬場に山の上から、かつてパク一家が暮らしていた豪邸を眺めていた。すると電球がついたり消えたり、モールス信号になっている。

雪山のギウ(パラサイト)

解読すると、父・ギテクからのメッセージだった。彼はかつてグンセが暮らしていた豪邸の地下に住んでいて、地下の電気系統をいじってメッセージを送り続けていたのだった。

ギウは半地下の家で、金持ちになってその豪邸を買い取る計画を立る。

『パラサイト半地下の家族』完。

パラサイト ラストのギウ

『パラサイト 半地下の家族』の感想!社会派というより完全なエンタメ

映画パラサイト半地下の家族

映画『パラサイト 半地下の家族』の評判だけ聞くと、韓国の鬼才ポン・ジュノ監督による、生々しい社会派サスペンスなのか、と考えるかもしれない。

しかし観ればわかるが、『パラサイト 半地下の家族』は、完全なエンタメ作品だ。

貧乏家族が富裕層をテンポよく騙す爽快感、随所の笑い、予想不可能なサスペンス展開など、エンタメ要素が際立っている。

富裕層と貧困を斬新な切り口で対比させた社会派な一面は前提としてあるが、エンタメの要素がめちゃめちゃ強い。

もともとエンタメとしてPRされていた本作について、「エンタメ要素のある社会派」という感想や評価がとても多い。

順序が逆だろう、パラサイトはあくまで「社会的なメッセージを持つエンタメ」だ。

万引き家族』というより、『ジョーカー(2019)』に近いといえばわかるだろう。

誤解を恐れず言えば、ポン・ジュノ監督は韓国の社会問題を利用して、最強のエンタメを作り上げた。

『パラサイト 半地下の家族』は、社会派の皮を被った極上エンタメなのだ。

 

『パラサイト 半地下の家族』ジャンルを超えたエンタメ3部構造考察

パラサイトの観賞中、ワクワク感が止まらなかった人が多いのではないか。

ワクワク感の理由は、この映画を時系列通りにパート1〜パート3に分割してみるとよくわかる。

視聴者を飽きさせないように、異なるジャンルを楽しませてくれるのだ。これがポン・ジュノのサービス精神であり、計算なのだろう。

パート1:クライムコメディ

パラサイト半地下の家族 考察

長男・ギウが、裕福なパク家の長女ダヘの家庭教師となり、美術教師、運転手、家政婦が、全員キム一家とすげ変わる。

頭脳と笑いが絡み合ったカタルシスが得られるのがパート1だろう。

前半部分は、言ってしまえば映画『オーシャンズ』シリーズのような印象だ。

騙す爽快感と、笑いが止まらない!

パート2:ステルス・ゲーム

半地下の家族 パラサイト

キム一家がパク邸で酒を飲みはじめたところへ、元家政婦・ムングァンが雨の中現れ、地下室とムングァンの夫の存在が明らかに。

そこへキャンプ中のはずのパク一家が帰ってくることになり、ステルス・ゲーム(見つからないように隠れる)がスタート。

キム一家は、料理を作る、ムングァンたちを何とかする、散らかった部屋を片付けるというミッションを8分でこなさなければならず、さらに見つかったらアウト!

ゲーム要素が強く、臨場感抜群だ。

ゲーム『メタルギア・ソリッド』や、映画『ミッション・インポッシブル』シリーズを観ているようなスリルと快感が味わえる。

パート3:サスペンスホラー

パラサイト半地下の家族 サスペンスシーン

洪水で半地下の家が水浸しになり、事情を知らないパク一家がキム一家をこき使ったことで、一家の主・ギテクの怒りが爆発するパート。

まず、地下から逃げ出したムングァンの夫が、パク家庭のパーティーで刃物を持って暴れ、ギジョンを殺傷。

ギテクがムングァンの夫を刺し殺し、パク家の主・ドンイクを殺すところまでは、サスペンスホラー。

半地下の家族のキム・ギテク

そのあと、ギテクがどこに隠れている謎を解くところは、江戸川乱歩のミステリーのよう。

さらにサスペンスに付け加えるなら、ギウがもらった大きな石をパク家まで持っていくところや、頭を石で殴られその治療が終わってずっと笑っているところなどは、文学小説っぽい。

エンタメだけではなく、アートっぽい表現も意図的に取り入れたのだろう。

エンタメとして異なる3つのジャンルを交互に楽しませ、さらに後半は“石”という抽象的なスパイスをふりかけた。

これが、『パラサイト半地下の家族』がアカデミー賞作品賞に輝いた大きな理由の1つだ。

パラサイト/豪邸の地下室の意味考察

映画パラサイト考察イラスト

『パラサイト 半地下の家族』を観て1つの疑問が残る。

半地下というのが貧困の象徴だとすると、豪邸の深い地下室は何を表しているのだろうか?

ここに映画の深いメッセージが隠れているような気がする。

3つ考えてみた。

1:超富裕層と超貧困層の対比

ムングァン夫妻(半地下の家族)

豪邸に地下に住む男がいることで、超富裕層と超貧困層の対比ができる。

1つの家族が幸せになる代償として、対極にはムングァンの夫のような存在がいる。

富裕層と貧困層が『パラサイト半地下の家族』では同じ建物の上と下で暮らしているのだ。

とてもわかりやすい対比になっている。資本主義の欠陥を映像で観せられているようで面白い。

2:金持ちもすぐ転落して廃人になる

『パラサイト 半地下の家族』のヨンギョ

豪邸に住んでいる金持ちにも、悩みはあり、それなりに闇がある。

  • 娘ダヘが男にだらしない、頭が悪い
  • 息子ダソンは、芸術家っぽいフリをして周囲を騙している
  • 母ヨンギョがすぐに騙されるアホ

「金持ちでも一歩間違えれば、すぐ転落だよ」

「人間、一皮むけばみんな同じさ」

「どこまでも落ちる穴がすぐそばにあるのに、気づかないのか?愚かだね」

貧困層代表のムングァンの夫の存在は、そんなメッセージを送っているのだろう。

3:もっと深い闇がある

映画パラサイト ムングァンの夫

なぜ半地下のアパートを出しておいて、さらに豪邸に地下室があるのか。

ムングァンの夫が住んでいる地下室は、キム一家よりも何倍も悲惨な闇の世界がある!

そのことを伝えたかったのだ。

貧困と一括りにするのではなく、貧困にもレベルがある。

一歩間違えれば、さらに下層の生活が待っている。

社会の究極の闇のメタファー、それがあの地下室だろう。

キム・ギテクは道を踏み外し、その闇に落ちていったのだ。

パラサイトの石の意味は人間の業(カルマ)

パラサイトの石

映画パラサイトを観て多くの人が思ったのは「石」の意味がわからない!ということではないだろうか?

石とはギウがミニョクから貰ったもの。洪水のときも、なぜか浮いてきた。

結論から言うと、「石」は「人間の業(カルマ)」や「社会のシワ寄せ」のメタファーだろう。この場合の業(カルマ)は、悪行や罪の意識の集合体と考えるとよい。

格差社会に生きる人々の業(カルマ)を、重い「石」として表現したのではないだろうか?

友人のミニョクは、ギウに石を押し付けた。

石は業(カルマ)であり「社会のシワ寄せ」なので、ギウはそれを持っている限り裕福な暮らしをすることは許されない。

そこでギウは、ムングァンの夫グンセに石を押し付けるために地下に行った。石を押し付ける=殺すことだったのだろう。そうすればパク一家への寄生を続けられる。

パラサイトの石は、半地下の貧困家族が、もっと苦しい貧困層を踏みねじってでも裕福になりたいという人間の「業(カルマ)」そのものだ。

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記事の画像引用元:Parasite (2019) - IMDb