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【ラストもループ!?ネタバレ考察】シン・エヴァ新解説!シキナミアスカの真実,旧劇と新劇のつながり,意味不明なストーリー簡単あらすじ

シンエヴァンゲリオンのループ・リピートを完全に解説したイラスト
『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』(EVANGELION:3.0+1.0 THRICE UPON A TIME)は25年を超えるエヴァの歴史に終止符を打った完璧な映画でした。

かなり難解な内容だったので、ストーリーが意味不明だった人のためにあらすじを完全ネタバレでわかりやすく解説(新しい専門用語はリンクで飛べばチェックできます)。

この記事は、

  • あらすじ完全ネタバレのわかりやすい解説
  • ラストのループ説明動画や図解イラスト
  • ループとパラレルの違い、現実と虚構の融合を否定!
  • サブタイトル「THRICE UPON A TIME」やリピート記号:||の意味

などを知りたい方におすすめ。

目次の好きなところから読んでください。

渚司令の正体や真希波マリについてのシン・エヴァ徹底考察は←こちら】

序破Qのからは予想できない、まさかのマリエンドにびっくり!エヴァの物語は終幕しガチの伝説に!

 

シン・エヴァ/完全ネタバレあらすじ解説

☞クリックであらすじネタバレ表示

旧劇、新劇前作のあらすじ復習

今までのエヴァのあらすじを、ネタバレありで復習したい方へ。

アニメ版エヴァ(1995〜96)ネタバレ

旧劇 Air/まごころを、君にネタバレ

新劇 序・破・Qネタバレ

次から『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』本編の内容。

1:アンチLシステムでパリ復興

シン・エヴァンゲリオン劇場版:|| マリが乗る8号機

ミサト率いるヴィレ(WILLE)は、2号機と8号機(『Q』の最後の戦いで両腕破損)の修復パーツを手に入れるため、パリにあるユーロネルフ第1号封印柱にやってきた。

リツコたちが封印柱のパワーを復元させようと作業していると、ネルフ・冬月副司令率いる4444C(フォーフォーシー)が襲いかかってくる。

量産タイプ・44A(フォーツーエー)の群れを8号機に乗るマリが駆逐する中、ミドリたちがシステムコードの入力を終えて、相補性L結界浄化無効阻止装置が時間ギリギリで起動した。

アンチLシステムが発動し、パリの街からL結界(赤色の世界)が消えた。エヴァパーツをゲットしたヴィレは、2号機と8号機の改造を進める。

2:第三村で綾波No.6消滅

第3の村へとL結界を歩くアスカ、シンジ、綾波

シンジはアスカと綾波(黒綾波/アヤナミタイプNo.6)と、トウジやケンスケが暮らす第三村に到着(相補性L結界浄化無効阻止装置でL結界から守られている)。ヴィレの下部組織、KREDIT(クレディット)が、村に必要な物資など支援しているようだ。

トウジと元委員長のヒカリは結婚しており、娘・ツバメが生まれていた。綾波はそこで暮らしながら、農作業や村人たちの優しさにふれ、人間らしい感情を覚えていく。

綾波タイプNo.6

シンジとアスカはケンスケの家屋に泊まるが、シンジは失語症状態で何もしゃべらない。

アスカが怒って無理矢理レーションを食べさせると、シンジは近くの湖へ家出した。

綾波が湖にやってきてレーションを置いていく。徐々に精神が安定するシンジは、ミサトと加持の息子・加持リョウジと出会ってかすかな希望を見いだした。

シンジは湖のそばで、名前を持たない黒綾波に「綾波は綾波だ」と告げる。LCLの中でしか生きられない綾波は、肉体の形状を保てずに破裂して液体となり死亡。

3:ゲンドウがフォースインパクトの開始

シンジは黒綾波(No.6)の死で何かを感じ、アスカとともにヴンダーに戻ることを決意。

一方、NERV(ネルフ)のゲンドウは巨大な黒き月を動かして、セカンドインパクトが起こったカルヴァリーベースでフォースインパクトの儀式を開始していた。

ミサトは、加持が残した生命のサンプル・無人式全自動型の方舟を宇宙へ飛ばす。加持はサードインパクトを命懸けで止めて死亡していたのだ。

ミサトは艦隊ヴンダーを指揮し、ネルフを滅ぼすヤマト作戦を宣言。乗組員たちは希望の青いバンダナを腕に巻く。大気圏からL結界境界面を超えてカルヴァリーベースに侵入した。

L結界内にはエヴァインフィニティと呼ばれる無数の心を持たないエヴァが渦巻いている。

ヴンダーは冬月のネルフ艦隊と交戦に入り、大ダメージをくらってしまう。

4:アスカの使徒覚醒

式波・アスカ・ラングレーの乗る新2号機

マリの乗る改8号機が量産型を駆逐していく。

アスカが乗る新2号機が、儀式を行おうとしている13号機停止信号プラグを突き刺そうとするが、新2号機が13号機を恐れてATフィールドを発動してしまう。

アスカは裏CODE999を発動。左目の眼帯をとって小型の相補性L結界浄化無効阻止装置を取り出し、使徒の能力を発現させてATフィールドを破ろうとする。

しかしそれこそがゲンドウの狙いだった。式波タイプ(クローン)だった彼女と新2号機は13号機に取り込まれ、フォースインパクトの準備が整う。

5:シンジとゲンドウの対決

ネブカドネザルの鍵を使って人の域を超えたゲンドウ(一つ目)は、宙を飛んでヴンダーにやってくる。リツコが銃で撃つが、脳みそが飛び出ても復元した。

シンジがやってきて、なぜこんなことをするのか問いかける。するとゲンドウは13号機へと去っていき、ゴルゴダオブジェクトマイナス宇宙の扉を開いた。

シンジはミサトに「初号機に乗る」と叫んだ。それを聞いた乗組員のミドリやサクラ(トウジの妹)は激怒。サクラがシンジに発砲し、ミサトがかばって撃たれる。

シンジは初号機に乗り、13号機と対峙。シンジとゲンドウはマイナス宇宙と呼ばれる精神世界で戦う。2機は量子テレポートで瞬間移動しながら争った。

6:アディショナルインパクト発現

希望の槍カシウスを持つ初号機

儀式は進行し、胴体と首が分離された巨大な綾波・エヴァンゲリオンイマジナリーが現れた。さらに無数のエヴァインフィニティが、綾波の胴体へと変化していく。

シンジは槍を変形させ、時間を逆回転させるカシウスの槍を発動。

ゲンドウは時間を早送りするロンギヌスの槍を持ち「初号機は希望、対になっている13号機は絶望を象徴している」と語った。

しばらく戦うとシンジは槍を捨て、父ゲンドウとの対話を望んだ。

ゲンドウは虚構世界で、シンジに黒いリリスを見せる。黒いリリスは現実と虚構を等しく統べる存在のようだ。

ゲンドウは、今起きているアディショナルインパクトが全人類の魂をエヴァンゲリオンイマジナリー(エヴァインフィニティーが変化したもの)に入れる計画だと語る。そして全人類の肉体と魂を単一化して、もう1度ユイに会うと続けた。

シンジはS-DAT(カセットテープ)をゲンドウに返した。

7:ガイウスの槍とミサト死亡,カヲル司令とは?

ネオンジェネシス・エヴァンゲリオンを発動するシンジ君

ミサトはアディショナルインパクトを防ぐため、ヴンダーから新たな槍を作り出すことを考えつく。

ヴィレのメンバーはリツコの指揮で、ヴンダーの脊椎部分からガイウスの槍(ヴィレの槍)を作り出した。

ミサトはリツコら全乗組員を脱出させ、ヴンダーで13号機と初号機に突っ込んでガイウスの槍をたくして死亡する。

ゲンドウはアディショナルインパクトの失敗を悟り、精神世界で消えていく。

カヲルが現れ、自分は生命の書に記されて幾多も生まれ変わり、何度も世界の破滅を見届けてきたと語る。

カヲルは新たな世界の創設をシンジにたくした。加持がカヲルに「渚司令」と意味深に口にするシーンが映る。

マリはネルフ本部に侵入すると、旧知の冬月から「イスカリオテのマリア」と呼ばれる。マリは冬月の用意したエヴァのマーク10〜12を改8号機に取り込みプラス・フォー・イン・ワン(+4 in 1)となって超パワーを得た。シンジを救出するためにマイナス宇宙へと突入する。

シンジは、アディショナルインパクトをネオンジェネシス・エヴァンゲリオンに書き換えることを決意。

初号機(ユイ)がガイウスの槍で自分と13号機を貫く。他のエヴァシリーズも消滅していった。

8:それぞれのラスト

アスカは生命の赤い海の前で起きる。シンジは「あの時は好きだった」と話した。

アスカの脳裏にケンスケが浮かび、救出される。

シンジは綾波とカヲルも救い出す。

リツコやサクラを乗せた脱出ポットは、トウジたちがいる第三村に着陸していた。

マイナス宇宙でシンジの存在が消えそうになったところへ、マリが救出に現れた。

別の世界。宇部新川駅のホームで成長したマリとシンジがいちゃついている。マリはシンジのDSSチョーカーを解除した。向かいのホームには親しげに喋る綾波レイとカヲルの姿があった。シンジとマリは手をつないで走り出し、駅を出る。

シン・エヴァンゲリオン劇場版:|| 終わり

ラスト結末は新世界の創造

シン・エヴァのラスト結末については、「アディショナルインパクトのコードをガイウスの槍で書き換え、新たな世界を創造した」ということだと思う。

あとで詳しく解説するが、ラストでマリといちゃつくシーンは、アディショナルインパクトが終わって何年か経ってからのことではなく“もう1回書き換えられた新しい世界”と考えられるだろう。

次はエヴァの世界が旧劇・新劇含めどうループしているかイラストで徹底解説。

複雑なシンエヴァのループをイラスト解説!

シン・エヴァ、新劇・旧劇すベて含めたエヴァワールドの複雑なループをイラストで描いてみた。

シンエヴァンゲリオンのループを完璧に考察してまとめたイラスト解説図

上記の図のように考えれば旧劇・新劇のつながりと、シン・エヴァでシンジがループを終わらせた構造が視覚的にわかるだろう。

旧劇も新劇もサードインパクトが起こってまたエヴァに乗らなきゃいけない世界にループする選択肢と、マリが現れて『Q』→『シン・エヴァ』→新世界へ行く選択肢に分かれたという解釈だ。

仮に『』でサードインパクトが起こったとすると、また最初からやり直しになり、エヴァに乗る世界線をループするイメージ。シン・エヴァでは綾波の願い通り「エヴァに乗らなくていい世界」に到達した。

シンジの世界書き換え「ネオンジェネシス・エヴァンゲリオン」が、エヴァのいない新世界を創造したのだ。

最後シンジとマリが駅から出るシーンで周囲の風景が実写になっているが、シンジがリセットした世界こそ、2021年の現代日本だというメッセージも込められているのだろう。

旧劇から新劇へのループつながりが明らかになり、シン・エヴァでさらに新しい世界へ進む。みんなが幸せになり、シンジのおかげでもうこれ以上ループする必要はない

ループの話をまとめると、最悪なループを抜け出してみんながハッピーエンドに到達したエヴァの終劇に相応しいラストになった。

 

シン・エヴァ/3つ目の新世界への書き換え解説

シン・エヴァラストの初号機に乗るシンジ君

ラストでまた新しい世界が生まれた

アディショナルインパクトをシンジが書き換えて、次の世界が誕生したと考えられる。

つまり新劇のシンジが転生して、シン・エヴァラストのシンジになったのだ。

前提として、カヲル君が「何回も見てきた」的な発言をしているので、「旧劇」が“前”の世界線(No.1)で、「序破Q」が“次”の世界線(No.2)だったことは確定だ。

そこからさらに、『シン・エヴァンゲリオン』のラストで新世界(No.3)に書き換えられた。

「序破Q」のタイトルで考えると、「序1.0」「 破2.0 」「Q3.0」となり、人類史の観点から見ると『シン・エヴァ』の書き換えで『序』と同じラインに戻ったので「3.0+1.0」となったのだろう。

また、シンジの「エヴァがいない世界を作る」発言も、3つ目の新世界の誕生の根拠になる。

新劇の世界線にはエヴァがすでに存在してるので、全てリセットしないとエヴァのいない世界は作れないからだ。

補足すると、仮にシン・エヴァのラストが新劇と同じ世界線だとするなら、ほぼ壊滅した地球から10数年で路線や駅、町などの文明が復興した説明がつかないだろう。

ポイント シン・エヴァラストの駅の世界線は、シンジが創造した新しい世界

エヴァループ説は合ってる?間違い?

「新世界創造とループって違うのでは?」と感じた鋭い人もいるかもしれないが、人類史の観点で考えるとほぼ同じ意味になる。

なのでループ説は合ってるでOK!

シンジが書き換えた時点からまた人類史が始まるのか(新世界創造)、ある地点までタイムバックがなされてループするのかは、宇宙視点で見れば大きな違いはない

さらにいえば、その地点から再出発の新世界創造だとしても人類史自体はループしているといえる。

ループ説は合っている!

パラレルワールドの否定

新世界はパラレルワールドだ!と解釈している考察サイトも多いけど、僕はパラレル否定派だ。

仮にパラレルワールド説が正しい場合、“繰り返し”知ってるカヲルくんは平行世界を移動していることになる(例えるならジョジョ7部・SBRのバレンタイン大統領みたい)。

さらにパラレルワールドが出来るなら、シンジたちがいくら頑張っても、その世界は絶望状態で残されることになる(ドラゴンボールの未来のトランクスみたいで救われない)。

世界のポイ捨てみたいで浮かばれねえ!

また、カヲルくんの発言通りシンジの名が「生命の書」に記されているとすれば、前の世界のことがいろいろ書いてあるのでしょう。じゃあやっぱりパラレルじゃなくてループだよね。

以上の理由から否定したい。

現実と虚構の融合の否定

シンジが現実と虚構を融合したという意見もネット上にチラホラ見受けられる。

新世界創造イコール現実との融合というものだが、解釈が間違っていると思う。

理由はシンプル。なぜなら融合は、現実というパラレルワールドありきでしか成立しない考え方だから。

映画の世界が最後に現実とリンクした結果だけ見て、プロセスを無視している。

エヴァのいない世界を願ったシンジが“新たに”つくった世界が、今の僕たちが生きている現実だという解釈だ。

融合ではなく世界を生み出したといった方が近いだろう。

現実と虚構を融合させたのは庵野監督たち作り手で、シンジがやったことではない

制作者の想いは大切だけど、作品自体との線引きを曖昧にしすぎると物語の大切なメッセージがスポイルされてしまう。

庵野監督だって別に「俺の人生や発言を通してエヴァを解釈してほしい」とは思ってないはずだ。

“現実とくっついた”より、今自分たちがいる現実を作ってくれたのがシンジとエヴァだと解釈した方がループの説明がつくし、より神話的だろう。

現実と虚構の融合はゲンドウが目指した理想に近いよね。シンジはそれを否定したのだから「虚構を書き換えて新たな現実を生み出した」の方が当たってると思う。

式波(シキナミ)アスカのクローンオチ、オリジナル惣流も考察

シキナミタイプのクローン人間だったアスカ

アスカ(本名:式波・アスカ・ラングレー)もシキナミタイプと呼ばれるクローンだったことが判明。

さらにアスカは「」で3号機に乗って初号機にエントリープラグを破壊された時のケガが理由で左目に眼帯をつけていたわけではないことが発覚。

アスカは3号機の使徒に侵食されていて、それを抑えるために目の中に小型の相補性L結界浄化無効阻止装置を埋め込んでいたとわかった。(円柱を目の中に埋め込まれるとは、WILLE内でのアスカの扱い酷いな…)。

アスカがDSSチョーカーをつけられてるのも、使徒化しての暴走に備えてなのだろう。

そして第三村での綾波タイプ(No.6)への発言から、アスカは自分がクローンだと知っていたようだ。

旧劇では廃人と化し、新劇でも絶望を抱えていたアスカ…。可哀想。

惣流がオリジナル、式波はクローン

旧劇オリジナルの惣流アスカラングレーと、新劇クローンの式波アスカラングレーの関係

アスカの苗字が旧劇と新劇で、惣流(そうりゅう)→式波(シキナミ)に変わったのも、惣流はオリジナルで式波はクローンだという解釈もある。

だとすれば、『Air/まごころを君に』で破壊された旧劇世界の惣流アスカの遺体(遺跡?)などから復元したか、ゼーレの死界文書の中に惣流アスカのデータがあったのかも。

シン・エヴァでは、式波アスカが13号機に取り込まれた際に別のアスカが現れたが、これはオリジナルの惣流アスカ

まあクローンはかなり悲劇的だったが、アスカは死亡せず最後に相田ケンスケ(ケンケン)のことを想い、新世界ではきっと恋仲になっているのだろう。救いのある終わり方だと思う。

レイとカヲルは、ユイとゲンドウの生まれ変わり

エヴァを消滅させたら相互作用で使徒も消滅しそうじゃない?エヴァも使徒も、アダムとリリスが元になって作られたでしょ。

そうなると、使徒であるカヲルたちがそのままの世界線で存在できるのかは結構な疑問。

宇部新川駅ではシンジたちが大人で、レイとカヲルは高校生だった。

新世界のレイとカヲルは、ユイとゲンドウ生まれ変わり・転生と考えた方がスッキリするんじゃないか。

ラストはDSSチョーカーじゃない?

マリエンドのラストシーン。

ホームでマリが外したシンジのDSSチョーカーが気になる。

エヴァがいない世界ならDSSチョーカーは必要ないはずなので、大人になるまで着けているのは意味不明。

チョーカーは別に爆発する物ではなく、これまでのエヴァの呪縛を解き放つ象徴的な意味だったのではないか。

「THRICE UPON A TIME」の伏線と:||リピート記号の意味考察

THRICE UPON A TIMEと:||リピート記号のメタファーである列車

THRICE UPON A TIMEはシン・エヴァで出来た3周目の世界

THRICE UPON A TIMEは、thrice(スライス:日本語で3回目)とOnce upon a time(ワンス・アポン・ア・タイム:昔々)をくっつけた言葉だと考える。

シン・エヴァの副題の意味としては3回目の過去と訳せるのではないか。やはり伏線になっていた。

先ほども解説したように、旧劇までが1回目、新劇場版・序破Qが2回目。そして『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』でシンジが3回目の世界(THRICE UPON A TIME)を作り出したのだ。そして、いつかそれすら過去になると表しているのだろう。

数字は「序1.0」「 破2.0 」「Q3.0」に対して「シン・エヴァ3.0+1.0」になっているので、最初と同じ地点だけどエヴァのいない世界に行ったことを表しているのだろう。

未来からのホットライン

ちなみにジェイムズ・P・ホーガン著の「THRICE UPON A TIME(未来からのホットライン)」というSF小説もあり、庵野監督はそこからサブタイトルを拝借したのだろう。

未来からのホットラインは、過去を改変すると現在の世界線が再構築される話らしい。新世界創造してるっぽいシン・エヴァと比較して、内容は似てるけど完全にはリンクしてない気がする。

庵野監督が影響を受けていることは確かだろう。

エヴァがエヴァを終わらせた!リピート記号:||の意味

リピート記号:||はやはり先ほど説明したように、シンジの「ネオンジェネシス・エヴァンゲリオン」が95年のアニメ版のタイトルにリピート:||するという意味だろう。

エヴァがエヴァを終わらせた。そして新しいエヴァンゲリオンが始まる…。

そう考えると感慨深い。ただ、キレイに回収しすぎて続編はむつかしいかもしれない…(エヴァのいない世界をどう表現するかが難しいし)。

パラレル解釈ならシリーズ化できるかもだけど、3つ目の世界の考察とリピート記号:||からやっぱりパラレルというより直列世界な気がする。

電車や線路とリンクする:||リピート

エヴァではシンジの心象風景として登場する電車。

:||リピート記号は、ひたすら同じルートを回る電車や線路ともリンクしているし、形も似ている

世界は電車と同じように、同じ場所でループする。しかしそれは以前と完全に同じではないと表現しているのだろう。

シンジのおかげで、これからはループする必要はないのかもしれない。

聖書のメタファー/エヴァは十字架,シンジはキリスト,庵野はゴッド

キリスト磔の十字架に見える初号機
聖書がモチーフとして使われることの多いエヴァシリーズだが、シン・エヴァでそれぞれ何のメタファーなのか答えがはっきり出た。

新世界を創造するきっかけとなったシンジはやはりイエス・キリストだろう。

そしてシンジが乗るエヴァは、キリストが磔刑にされた十字架そのものに映る。

特に初号機は顔の形がドンピシャで十字架だ。

シンジも綾波レイも式波アスカも、旧劇からエヴァという十字架に磔にされていたのだ。

シン・エヴァでみんなその呪縛から解放されたと思うと感動もひとしお。

そしてエヴァシリーズを創り上げた庵野監督はゴッド、全知全能の神となった

シン・エヴァンゲリオン劇場版 感想・評価レビュー結論まとめ

感想・評価レビュー

シン・エヴァンゲリオン劇場版:||

個人的には93点評価。超神作だったと思う。

まず、綾波(アヤナミタイプNo.6)がトウジの赤ちゃんや住民と触れ合う過程で人間らしくなっていく前半シーンに超癒された。結果的に消滅して呆然としたけど、感情を持って復活するようだし、ギリギリトラウマにならないで済んだ。

赤いL結界を背景に使ったシンメトリーな映像美は圧巻で、構図も芸術的。はっきりいって映像だけでも2時間半満足できたと思う。アクションシーンも超迫力。

さらにストーリー内容もテーマ性が深く、日本アニメ映画史上の最高峰になったと思う。アニメ映画『鬼滅の刃 無限列車編』を超える大ヒットになってほしい。

シン・エヴァまとめと結論

シンジ、綾波レイ、アスカ、ゲンドウという内なる物語から、外への物語と変化した『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』。

聖書になぞらえれば、シンジは新世界を創造したキリストといえるだろう。そして庵野監督はゴッドだ。

1995年からのエヴァシリーズを統括して終幕させた最高傑作となった。

庵野秀明監督、本当にお疲れ様でした。

(記事の画像の権利:https://www.evangelion.co.jp/)