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Netflix『そして私たちは』全話ネタバレ感想あらすじ解説!麻薬カルテルの地獄の制裁のメキシコドラマ考察

Netflixオリジナルメキシコドラマ『そして私たちは』

Netflixオリジナル『そして私たちは』(原題:Somos.) は、のどかな街が麻薬カルテルの犠牲になってしまう過程を描いた、実話が基の衝撃メキシコドラマ!

メキシコの街の美しさと、住民たちの儚い人生の対比が素晴らしい良作です。

記事では『そして私たちは』の、

  1. 全話分のあらすじネタバレ
  2. 登場人物ごとの結末
  3. 評価や感想
  4. 麻薬組織やメキシコの風景

などについて解説・考察しています。

 

Netflix『そして私たちは』作品の情報

youtu.be

公開・制作国:2021年6月30日 Netflix メキシコ

原題:Somos.

監督:アルバロ・クリエル/マリアナ・チェニッリョ

脚本:モニカ・リヴィーラ/ジェームズ・シェイマス

出演:ジーザス・シダ/パキート役

出演:メルセデス・エルナンデス/チャヨ役

脚本のモニカ・リヴィーラはNetflixオリジナルシリーズの『ハウス・オブ・フラワーズ』なども手がける人物です。

ドラマ『そして私たちは』感想・評価レビュー

Netflix『そして私たちは』の評価は85点。

アメリカの非営利報道機関・プロパブリカに所属し、ピューリッツァー賞受賞歴もある女性記者ジンジャー・トンプソンの取材記事が基になっている今作。(記事はこちら)

麻薬カルテルが街を制裁するまでの過程を、住民の視点からリアリティたっぷりに描いていて見応え抜群です!

麻薬カルテルの恐ろしさと、メキシコの街並みの美しさを対比させた素晴らしいドラマでした。

アエンデという町は住民とカルテルギャングの繋がりが切ってもきれず悲劇が起こり、半ドキュメンタリーのように悲惨さがヒシヒシと伝わってきます。

また、麻薬カルテルの実態だけでなくヒューマンドラマとしても秀逸で、

自分の力で何もできずカルテルの暴走に巻き込まれ死んでしまうパキート、

義理の息子パキートを助けるために見張り役になるチャヨ、

友達サムエルの父の正体に気づき、殺されてしまうナンシー、

などなど、人生を精一杯生きる普通の人々が抗争で簡単に死んでしまう展開は切なかったですね。

単純に悲しいだけでなく、命の軽さ、儚さ、現実に心をえぐられるようです。

物語としても、終盤で、ボスが転校生サムエルの父親だったとわかる構成も面白かったです。

重厚なヒューマンドラマでした。

 

Netflix『そして私たちは』全話あらすじネタバレ解説

※『そして私たちは』は群像劇のため、個別の登場人物のストーリーは次の項目で詳しく説明しています。

麻薬カルテル・ロスセタスの襲撃

2011年。メキシコのコアウィラ州のアエンデという田舎街に、麻薬カルテル・ロスセタスの幹部モラレス兄弟が潜伏していました。

アメリカのDEA(麻薬取締局)のカルロスは、ダラスでカルテルと繋がりのあるオスカー・バスケス(ディアブロ)に電話。

オスカーにボスの居場所を教えるよう取引を持ちかけました。

断れば家族ごと数十年単位で服役することになるとパニックになったオスカーは、メキシコへ行きカルテル構成員ヘクターに会います。

ヘクターの弟もDEAに捕まっていました。

ヘクターはオスカーに説得され、弟や自分がすぐに出所できるようDEAと取引し、ボスに渡した携帯の番号を教えます。

しかしDEAカルロスの上司が、メキシコの連邦警察に携帯の件を伝えてしまいました。

連邦警察と癒着しているロス・セタスはアエンデの住民の中に裏切り者がいると考え、街中を破壊しながら邪魔者や裏切り者を捉えて殺しました。

Netflix『そして私たちは』終わり!

『そして私たちは』登場人物の結末ネタバレ

ドラマ『そして私たちは』の登場人物ごとにあらすじと結末ネタバレを解説します。

パキート(写真右)

青年パキート、妻アラセリとその子供

無職の青年パキートは、妻・アラセリとの間に男児をもうけ、義母・チャヨの家で暮らしています。

ある日無実の罪で警察に逮捕され刑務所へ。

妻アラセリは妊娠中でしたが、育てるお金がないからと中絶します。

パキートはチャヨの働きかけで、カルテルの末端構成員として刑務所から出ることになりました。

そしてロス・セタスが裏切り者たちに制裁を加えることになり、仕方なく掃討作戦に参加し、アエンデの街を破壊します。

彼が運ぼうとする死体の中には、チェマやナンシー、トムなど巻き添えを食った人々がいました。

パキートは家族のもとへ帰ろうと夜に集団から逃げようとして撃たれ、死亡したました。

チャヨ

ホットドッグを売るチャヨ

チャヨはホットドック売店で生計を立てている初老の女性。アラセリの母です。

ギャングのヘクターに、見張り役をやる代わりに義理の息子パキートを刑務所から出してくれと頼みます。

カルテルの制裁が始まり、チャヨはパキートを探しに行きますが逃亡して撃たれて死んだと聞かされ、自分自身を責めました。

ベンハミン・リナレス

ベンハミン・リナレス

リナレスは牧場主・イシドロの息子。

出所してアエンデに帰ってきましたが、牧場の手伝いをせずフラフラしています。

麻薬カルテルに借金があり、ウィルバーとミュータントという男性らを手伝って、ボスが潜伏する邸宅に未使用の携帯を届けました。

しかしその携帯の暗証番号が割れて邸宅の場所がバレたことから、リナレスが真っ先に疑われ、家族と逃げている最中に捕まってしまいます。

おそらく殺されたと思われます。

ヘクター(カルテル構成員)

ヘクター(カルテル構成員)

ヘクターはカルテルの主要構成員で、麻薬をアメリカのダラスに送る仕事や、アエンデに潜伏するボスに足のつかない未使用の携帯を渡す仕事をしていました。

弟で運び屋のヒルペルトが捕まったことでオスカーからDEAと取引しないと終わりだと言われ、ボスの屋敷に持っていかせた携帯の番号を教えます。

しかしDEAがカルテルと繋がっている連邦警察にその情報を流してしまったため、自身は保護されたものの、恋人シンディやその家族が殺されてしまいました。

チェマ

チェマ

チェマは元アル中の消防士で、イレーネの夫。

カルテルの集団が家を壊して燃やしている現場に急行してしまい、上司のロナルドらと一緒に射殺されます。

イレーネ

イレーネ

イレーネは街の緊急電話の受付スタッフでチェマの妻。エリカの妹。

カルテルの制裁が起きる中、夫チェマの安否を心配しています。

ナンシー(女子高生)

ナンシー(女子高生)

ナンシーは男子生徒に混じってアメフトチームでキッカーを務める気の強い女子。

友達のトムと軽い気持ちで男女の関係になりました。アルマンドや転校生のサムエルとも仲が良くいつもつるんでいます。

サムエルの家で、彼の父モラレスが銃を持っているのを見たため、帰される途中で殺されました。

アルマンド(高校生)

アルマンドはナンシーやトムの友達。エリカ(イレーネの姉)の息子です。

カルテルの制裁に巻き込まれましたが何とか逃げ切り、エリカの待つ家に帰りました。

サムエル(転校生)

サムエル(転校生)

サムエルはアエンデにやってきた転校生で、アメフトチームに入り、ナンシーたちと仲良くします。

しかし彼の父モラレスは実はカルテルの最高幹部で、父親のせいで街の人々が大変な目に遭っていると苦悩します。

モラレス(カルテル最高幹部)

モラレス(カルテル最高幹部)

モラレスはヘクターたちが所属する麻薬カルテル「ロス・セタス」の最高幹部。

普段は一般人を装い、息子サムエルのアメフトの試合観戦などをしています。

制裁の最中に家にやってきたナンシーたちを追い出し、部下に殺させました。

娼婦ナジェリ

ナジェリはアエンデの売春婦。カルテルに友人フロー・マリアが殺され、自暴自棄になっていました。

制裁の際、娼婦たちは全員カルテルに連れ去られましたが、ナジェリは生き延びて娼館の女主人とアメリカに密入国します。

メキシコの麻薬カルテル「ロス・セタス」

ドラマ『そして私たちは』に出てきた麻薬カルテル「ロス・セタス」は実在します。

麻薬売買に協力しなかったり、刃向かった人物などをバラバラ死体にし、「Z」の文字を刻んで路上に捨てる残虐行為をたびたび行っているようです。

ヘリやミサイル、装甲車と戦闘力も軍隊レベルで、警察も手を出せません。

日本にいると信じられないですが、メキシコの一部の地域では現実なのです。

ドラマ『そして私たちは』2011年のアエンデ襲撃では、数百人がこのロス・セタスの殺し屋たちの犠牲になったらしい…。

こんな組織がいると思うと、メキシコに旅行に行くのが怖くなりますね…。

印象的なメキシコの風景

メキシコの美しい街並み

メキシコの麻薬カルテル超こえ〜と感想を持つ一方、『そして私たちは』はのどかな街の風景を堪能できる作品でもありました。

砂埃舞うストリートで、初老の女性チャイがリヤカー売店でホットドッグを売っている姿など哀愁たっぷりでそれだけで絵になっていました。

カラフルなメキシコの街を空撮で映したシーンも多く、ボロボロの家屋が並ぶ景色にノスタルジーのようなものが感じられ、一度は行ってみたいと感じました。

まとめ

Netflixドラマ『そして私たちは』は、実際の出来事を基に、麻薬カルテルの抗争を住民視点で描いたとても見応えのある群像劇でした。

メキシコの美しい暮らしと、命の儚さが胸に突き刺さります。

単なる悲劇を超え、酸いも甘いも兼ね備えたメキシコの美学を堪能できた気がします!

『そして私たちは』の感想・解説レビュー終わり。

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