96時間(2008)という映画のヒット以降、リーアム・ニーソン主演のアクション映画が量産されている。
今回説明するトレインミッション(The Commuter)も、もれなくその類なのだが、サスペンスよりのアクション映画で、難しいことを考えなくても観賞できるし、80年代テイストも多分に含んでいるので、80年代のアクション映画が好きな人は楽しめたと思う。
例えるなら、付き合いでキャバクラ行ったら思いのほか話の上手い女がいたという印象。
ここではトレインミッションの特徴を挙げながら、解説・考察・感想を書いていく。 [:contents]
トレインミッションのあらすじネタバレ解説
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飛行機から通勤電車に移動
ロストバケーションや「エスター」や「アンノウン」を監督しているジャウム・コレット=セラと、主演のリーアム・ニーソンがタッグを組むのは、なんと今作で4回目!
2011年から2年に1度のペースで一緒に映画を作っていることになる(アンノウン、フライト・ゲーム、ラン・オールナイト)。
二人がタッグを組んだ作品はすべて良質なサスペンスアクションと呼べるものなのだが、ここで気づいてしまった。「トレインミッションってフライト・ゲームで飛行機の中でやったことを、通勤電車でやっただけじゃね?」
我々は、舞台を変えただけの量産アクション映画を観せられているのか?
まあ言ってしまえばそうなのだが、細かい設定はもちろん違うし、電車ならではのアクションが楽しめるので、気にすることはない!きっと・・・
アクション映画は楽しめればそれでOKなのだ!
ちなみにジャウム・コレット=セラ監督は『ジャングル・クルーズ』(2021年)の監督を務めたことでも話題に。
スピード(1994)方式を採用
ブレーキが爆破され、列車が止まらなくなり事故寸前からなんとか助かる!そこだけトレインミッションは1994年のスピードという映画っぽくなる。
猛スピードで走り、乗り物から脱出できなければ全員死亡!スピード(1994)ではバスが舞台だったが、列車で起こってもスリルは変わらず!
トレインミッションでは意図的にスピード(1994)ぽくしたのか?結果的にそうなったのかわからないが、スピードの方程式はどんなアクション映画でも盛り上がるから面白い!
電車ギロチンなどのアクション演出
カークラッシックで、登場人物の上から車が降ってくるという演出は見たことがあるだろう。しかしトレインミッションでは、それを電車でやってしまったから豪快で見応えがあった。
主人公が上を見上げると、脱線した前の車両が降ってくるのである。首を引っ込めなければあわやギロチンというところであった。
上から降ってくるのを車から電車に変えただけで、印象がめちゃくちゃ豪快になるのだと感心した。今度は飛行機を降らせるべきだろう(笑)
80年代テイストムンムン
脱線車両の中の登場人物たちが、たくさんの警察関係者に包囲される。その中で、孤独に戦うはずだったマイケルを乗客たちが一心同体でサポートという予期せぬサプライズ!
この感じどこかで見たことあるぞ!なんか”包囲される”という点ではダイハード(1988)やゴースト・バスターズっぽいし、今までみんなで戦う!というのはポリス・アカデミー(984)っぽい
トレインミッションの終盤が80年代テイストムンムンで興奮してしまうのは僕だけだろうか!?
コメディ役が白人
3枚目役というのかコメディ役というのか?とにかく緊迫した場面で笑わせてくれる役がいるだろう。80年代は圧倒的に黒人がそういう役回りなことが多かったが、今回は白人である。
黒人がお笑いに回る構図に飽きたのか?それとも世間の声の影響なのか?ともかく白人があからさまなコメディ役に回るのが1980年代と違うなあとちょっと思った。
(※黒人白人は人種的な意味で差別的な含みは一切ありません。)
通勤電車という表面上の付き合いの大切さ
主人公のマイケルは保険のセールスマンになってから10年以上毎日同じ通勤電車に乗っていた。同じように電車を利用する人たちと顔馴染になり、結果的にそれが彼を救うことになる。
トレインミッションには、表面上の付き合いも、かけがえのない大切なものですよ。というテーマがあるのだ。
現在の日本だと、毎日同じバス、同じ電車に乗るだけの人に気軽に話しかけることは難しいが、古き良き時代のように、気の合いそうな人に声をかけてみると、毎日の退屈な通勤が楽しくなるのではないか?あなたも試してみたらどうだろう!
電車がジャックされたときにみんなで協力し合えるかもしれないぞ!
リーアム・ニーソン主演の他の作品を解説した記事もあるので、気になるものを是非読んでみてね!