Netflixオリジナル『今際の国のアリス』を全話一気に視聴したので、どんなドラマなのか独自の解説をしていきたいと思う。
個人的にはLOST+ハンターハンターという印象。
原作漫画のオチからの考察もあり。
※ネタバレを含んでいます
(ドラマのあらすじネタバレ感想を読みたい方はこちら↓)
『今際の国のアリス』は傑作?ひどい駄作?
個人的な評価になるが結論は傑作。期待してた以上に楽しめた。
チームで生き残りをかけてゲームをしていくというありふれたストーリーだが、アクションは派手で見応えがあるし、登場キャラにも魅力がある。
舞台もパーティー感が満載で、テンション上がる。
さまざまな謎が絶妙なタイミングで解き明かされるため、サスペンス的にも面白い!
Netflixでぜひ観てみよう!
今際の国のアリスネタバレ考察/展開が『ハンターハンター』
ゲームを集団戦でクリアしていく過程が、冨樫義博のコミック『ハンターハンター』に似ていると感じた。特に心理戦にも重きを置いている点が共通している。(ちなみにいきなり異世界で殺し合うゲームが始まる設定は『天空侵犯』にも似ている。)
ビーチに行って大集団でカードを集める頃からは、『ハンターハンター』のグリードアイランド編にそっくり。
まあ、面白いから全然いいんだけどね!
『今際の国のアリス』は、『ハンターハンター』のようにゲームや勝つこと自体が重要ではなく、登場人物がパニックを起こしていく過程に重きをおいているところが異なる。
登場キャラの回想が効果的
登場キャラに深みを持たせるために、回想でバックボーンを差し込んでいるところが良い。
海外ドラマ『LOST』みたいに半分くらい回想というわけではなく、さらっと思い出すくらいなんだけど、過去どんな人物だったのかわかり、とっても感情移入できる。
例えばこんな感じ、
- クイナは性同一性障害で、空手師範の父から勘当され、性転換した
- ニラギはめちゃいじめられっ子だった
- ラスボスは生きるか死ぬかの世界に憧れていた引きこもりだった
- アグニとボーシヤは唯一無二の親友だった
映画でもドラマでもよくある手法だけど、『今際の国のアリス』こういった回想のワンシーンを効果的に挟んでいる。群像劇的に敵・味方の人生が楽しめるのだ。
2020年に公開されたドラマだと、『ウォーキング・デッドワールド ワールドビヨンド 』も過去の回想がたくさんあったが、『今際の国のアリス』の方が断然面白い。
そういえば『鬼滅の刃』も回想シーン多くて効果的だよね。こちらに近いかもしれない。
『今際の国のアリス』原作漫画の臨死オチを考察
※原作漫画とドラマ『LOST』のネタバレ・オチを含んでいます。
原作のオチは臨死・死ぬ間際の夢
ドラマはシーズン1で漫画でいうとまだ中盤。『今際の国のアリス』の原作コミックスは2016年にすでに完結している(続編:『今際の国のアリス RETRY』はまだ連載中)。
原作のオチをわかりやすく説明すると、アリスたちは隕石の衝突に巻き込まれ死ぬ間際の世界にいるというもの。つまり臨死体験でした。よくある結末。
今際の国は、天国と地獄の間にある煉獄(リンボ)のようなものだろう。
ドラマ『LOST』に近いテーマ
臨死体験の物語はたくさんあるけど、テーマ性まで考えるとやっぱりドラマ『LOST(ロスト)』に近い。
理由は、登場キャラクターがみんな過去に葛藤やトラウマを抱えているからだ。
絶望の物語でありながら、生きることの意味を映し出していて見応えがある。
現実社会を忘れて一からやり直しつつ、他者との関係・自己の成長を丁寧に描かれている。
ディストピアモノとしてはドラマ『ウォーキング・デッド』との比較もできるが、こちらは自己の成長というより、変貌ぶりが見どころになっている。
今際の国の何が新しい?
『LOST』や『ハンターハンター』に似ているだけでなく、『今際の国のアリス』の斬新な点も考えてみよう。
それは、臨死体験からゲームをして復活できる設定ではないだろうか。
映画『マルホランド・ドライブ』のように「実は死んでました」とか、よくある「いろいろ頑張ってたら目が覚めました」ではない。
明確にゲームで生き返るか死ぬか決まるのだ。
深掘りすると、人間の生死をコントロールする存在がいるということ。
人間は命をもてあそぶ誰かのゲームの駒にすぎないと言っているようだ。
続編漫画『今際の国のアリス RETRY』では、その正体まで描かれるのかもしれない。
こちらもおすすめ関連記事