ヒューマンドラマ
映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』を見返してみた。 個人的には好きな映画だけど、改めてみると、いわゆる“視聴者の期待に応えていない”ところも多くて、作品として評価はできるけど好き嫌いがはっきり分かれると感じた。 太宰の小説からの考察、小栗旬…
トム・ホランド主演のNetflixオリジナル映画『悪魔はいつもそこに』はかなりの胸糞映画だった。 完成度としては低くなく、殺人連鎖モノとして楽しめるものの『ミスト』のような後味の悪さが残った。 なぜ胸糞気分だけが残ってしまったのか徹底考察して、評価…
トム・ハンクス主演のNetflix配信映画『この茫漠(ぼうばく)たる荒野で』(原題:News of the World)。涙が枯れ果てそれでも生きるような、渋くて味わい深いストーリーが魅力だった。 ネタバレ感想レビュー、評価、を歴史的な名作映画と比較して考察・解説して…
日本で大ブームとなっている『愛の不時着』を全16話視聴! ストーリーがとにかく最高の神作だったので、あらすじネタバレをまとめてみました。 北朝鮮編と韓国編に分けた全話ざっくりあらすじまとめと、全16話の各話詳細ネタバレに分かれているので、簡単に…
『私というパズル』原題(Pieces of a Woman)をNetflixで視聴。 自宅出産のシーンに冒頭20分以上かけているのが特徴、大きなメッセージが込めらたというより、詩的な印象が強いヒューマンドラマだった。あらすじ解説のあと、感想を交えた考察をしていこうと思…
ジョージ・クルーニーが監督・主演を務めたNetflixオリジナル映画『ミッドナイト・スカイ』は、個人的に近年稀に観る超傑作だった。 ストーリーの完成度・演技力・深いメッセージやテーマ・極上の映像美が全部そろっていて、とっても見応えがあった。 あらす…
デヴィッド・リンチ監督作の映画『ストレイト・ストーリー』(英題:The Straight Story)を視聴。 数百キロ離れた兄の家に、時速8kmの芝刈り機で向かう老人のロードムービー。叙情的なシーンの数々が堪能できる名作だった。 この記事では、 あらすじネタバレ …
ジョニー・デップ主演の映画『グッバイ、リチャード』(原題:The Professor)を鑑賞。 ジョニデ演じる主人公・リチャードが余命半年と宣告されて、急にマリファナを吸い出してはじちゃう終活物語なんだけど、たくさんの発見があったので、感想をまじえながら…
映画『ノスタルジア』は、旧ソ連で「映像の詩人」と呼ばれたアンドレイ・タルコフスキー監督の傑作。 この記事では、本作のあらすじネタバレを紹介したあと、少し難解なこの映画のストーリーを徹底解説。 映画ノスタルジアに込められたメッセージや、タルコ…
映画『ダウン・バイ・ロー』(原題:Down by low)は、アメリカインディーズ映画の巨匠と呼ばれるジム・ジャームッシュ監督作品。白黒でゆるゆるな、オフビートロードムービーだ。 あらすじをネタバレありで解説したあとに、この映画の魅力について語っていく…
ポール・トーマス・アンダーソン監督、ホアキン・フェニックス出演の『ザ・マスター』をU-NEXTで見た。 第二次世界大戦のPTSDに苦しむ主人公と、カルト宗教の教祖の親愛や友情を描いた映画で、人の距離感などが寄らず遠からずで、とても独創的な作品だった。…
ウォーキング・デッドのグレン(スティーヴン・ユァン)出てるじゃん!と思ってユーネクストで配信されていた『バーニング 劇場版』という映画を鑑賞。 村上春樹の短編小説『納屋を焼く』を原作にした韓国映画なんだけど、人の影を描いた最高の映画だった。 こ…
『ジョジョ・ラビット』を視聴。冒頭はなかなか入り込めず、自分には合わないかと思ったが、中盤からグッと引き込まれた。 監督は『マイティ・ソー/バトルロワイヤル』を撮ったタイカ・ワイティティ。 良い意味で独特な感性の映画だと感じたので、『ジョジョ…
映画『グリーン・ブック』の評価がめちゃくちゃ高い理由を解説してみた。 あらすじネタバレ有りなので映画を見ていない人は注意してね。 (勘違いがあると困るので先に書いておきますが、黒人という言葉は厳密には差別用語ではありません。ご了承ください。) …
映画『コンテイジョン』を見た。 コロナで世界が大変なこのご時世、パンデミックを題材にしたこの映画を見ている人が増えているようだ(5/6現在U-NEXTの視聴ランキングで1位)。 『コンテイジョン』は、感染拡大を群像劇風で追っているので、ストーリーが少し…
トム・ハーディが車の中で電話するだけという、究極のワンシュチュエーション映画『オン・ザ・ハイウェイその夜、86分』を視聴。 ざっくり説明するとトム・ハーディが車内から電話で、家や会社、病院に電話を繰り返しながら精神的に追い詰められていくという…
以前、MCUは映画じゃない発言をしたマーティン・スコセッシ監督が、遠藤周作の同名小説を映画化した『沈黙 -サイレンス-』。個人的な感想を言わせてもらえば、スコセッシ作品のなかでも最高の部類に入るものだった。 この映画にかけた費用は約56億円。しかし…
『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』を観ると、フランクとカールの関係性に思わずジーンときてしまう。詐欺師とFBIという関係性でありながら、なぜこんな素晴らしい友情が生まれたのだろうか。今だったらこんな関係絶対ありえないだろうし、大問題になる…
バッファロー’66がめちゃくちゃお洒落な映画だと聞いてみてみたら、お洒落なだけじゃなく、演技やストーリーも最高の話だった。 心に問題のある男性と少女の恋という点では、「タクシードライバー」や「レオン」に通じるものがあるが、バッファロー’66の結末…
スタンリー・キューブリックは、作品の幅が広すぎる監督である。 2001年宇宙の旅はSF、時計仕掛けは社会派、シャイニングはホラーといったことからわかるように、ありとあらゆるジャンルを自分流にしてしまう稀有な存在である。 そしてなんとこの監督は、「…
ギレルモ・デル・トロ監督による、第90回アカデミー作品賞、監督賞、作曲賞、美術賞の4冠を勝ち得た「シェイプ・オブ・ウォーター」。 アカデミー賞を取っているから良いとか悪いとかの談義は一旦置いて、個人的な感想を述べさせてもらえば、ストーリー、映…
ロバート・デ・ニーロとクリストファー・ウォーケンが出演している傑作ディアハンター(1978)! ディアハンターは、若者が青春を謳歌するシーンが長く、全体としても3時間と長い。戦争のシーンが少ないなど、色々型破りな部分が多いが、中でも注目するべきは…
エンドレス・ポエトリーという映画を見た。 カルト作品で有名なアレハンドロ・ホドロフスキーによる2016年の自叙伝的作品で、同監督の『リアリティのダンス』の続編となっている。 今回は、青年アレハンドロ・ホドロフスキーが詩人に成長する物語が描かれて…
人によってはつまらないかもしれない、ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド!しかし、僕個人的には大傑作だと思う。その理由を紹介していきたい。 シャロン事件が防げたなら、ハリウッドの黄金期が永遠に続いたかもしれない!そんな映画オタク、ク…
オーソン・ウェルズの市民ケーン(1941)という映画を観た! とても挑戦的でジャンルレスな映画だと感じた。いわば社会派ファンタジーといえるだろう。 新聞社を経営するケーンという男の物語なので、てっきり社会派のヒューマンドラマかと思っていたが、最後…
ビリー・ワイルダー監督・脚本の名作「アパートの鍵貸します(the apartment)」について、時代考察や感想などを述べている。 どんな部分が素晴らしい映画なのか?今の時代と比べるとどうなのか?などについて語っていく。 アパートの鍵貸しますはどんな話? …
デヴィッド・リンチ監督のエレファントマンを観賞。 この記事ではエレファントマンで伝えられた表層的な複数のテーマを解説すると共に、リンチ監督が何を言いたかったかさらに突っ込んでエレファントマンを深掘りしてみる。 分かりやすい面も、深い面も持つ…
アリー/ スター誕生(A Star Is Born)を観た。 日本のみならず、本国アメリカでも好評価が多い作品だが、個人的には満足度が低く、映画としてかなり微妙だと感じた。小綺麗にまとまり、人を感動させる大事な要素が抜け落ちていた印象だ。 僕がそう思った理由…
デイミアン・チャゼルの最新映画ファースト・マンを観賞してみた。 デイミアン・チャゼル監督の今までの作品である、色彩深いラ・ラ・ランドや、人間の衝突を描いたセッションなど、派手な印象を期待してみると、肩透かしを食らった感は多少ある。 それでも…
ロッキーシリーズのスピンオフ作品である、クリード2炎の宿敵を観賞。 ロッキーシリーズは前作制覇しており、個人的な思い入れも強く、「つまらなかったらどうしよう・・・」といういらぬ不安がよぎってしまうのだが、クリード2の完成度は並並ならぬほど高く…