Netflix映画『デンジャー・ゾーン』(原題:Outside the Wire)は、イラク戦争のような問題にA.I.(人工知能)の問題をプラスした興味深い内容だった。
ネタバレあらすじを解説して、ぶっちゃけ感想・評価・考察など気軽にしていきます。
アベンジャーズでファルコンを演じたアンソニー・マッキーのアクションシーンは迫力あるしテーマも大きいけど、最終的に何も解決していない印象がしたよ。
- デンジャー・ゾーン/ネタバレ感想・ぶっちゃけ評価
- 『デンジャー・ゾーン』徹底考察・結局何も解決してねえ!
- デンジャー・ゾーンネタバレあらすじ解説
- 『デンジャー・ゾーン』ストーリーのわかりやすい説明
- デンジャー・ゾーンの結論まとめ
デンジャー・ゾーン/ネタバレ感想・ぶっちゃけ評価
本作に点数をつけるとすれば、76点くらい(ちなみに大手レビューサイトRotten Tomatoesでは34点と激低、、)。
A.I.のリオ大尉が裏切る展開はサスペンスのカタルシスが得られてすごくよかったし、銃撃戦などの激しいアクションはとても見応えがあった。
ただ欠点として、人工知能の暴走や人類への脅威というテーマがちょっと古い。
確かに、技術特異点・シンギュラリティと呼ばれる2045年問題(A.I.が人間の能力を超える)がちょっと前からホットな話題だけど、映画としては『ターミネーター』(1984年)など、割とよく見るモチーフ。
もっというと『デンジャー・ゾーン』のオチはウィル・スミス主演の『アイ・ロボット』とかなり似ている。
あとは細かい点だが、なぜ米軍が事態を悪くしていると考えるソフィヤが、兵士のハープを解放するのかがちょっと意味不明だった。ハープを解放しなければ、核発射は成功していたはずなのに。
『デンジャー・ゾーン』徹底考察・結局何も解決してねえ!
答えは人間の成長?解決した気になってない?
最後の、A.I.リオ大尉と部下ハープのやり取りで、「人間は成長する!」みたいな感じでハープが議論を終わらせてたが、それって未来に丸投げしてなんも解決してなくない?と考えるのは僕だけだろうか?
人間が成長を続ければ、人類よりも全然優秀なAIリオより優れた紛争の解決策を考えつくのだろうか。はなはだ疑問だし、フワフワ終わらせた感が強い!
結局、戦争は誰が解決するのだろう…。
A.I.リオのパラドックス
人工知能のリオは、自分のような存在が人間を排除しようとして、戦争を激化させると気づいた。ということは、リオ以外のA.I.ロボが作られたとしても、彼ら自身でその答えに気づいて、行動を改められるのではないか?
そもそもA.I.は本当に人類にとって脅威なのか?その前提が明確にされてなかったのが気になる。
まあ、A.I.にも多様性があって、「人類皆殺しじゃあ!!!」みたいな答えを出すヤツが出てくる可能性あるという解釈なのだろう。
大事な部分がふわっとした感じが否めない。
デンジャー・ゾーンネタバレあらすじ解説
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起:正解のないハープ中尉の判断
2036年、東欧ウクライナで紛争が起き、米軍が平和維持のために現地に派遣されていた。しかしテロリスト集団・クラズニーと米軍の争いが絶えず、現地市民が多く犠牲になっていた。
現地での銃撃戦の中、ドローン操縦士のトーマス・ハープ中尉(ダムソン・イドリス)は、上官命令に反してミサイルを投下。結果的に2人の若者を犠牲にして38人の命を救った。
しかし軍令違反が問題となり、訓練生として現地に送られることに。
承:A.I.アンドロイドのリオ大尉と任務開始
命令通り、リオ大尉(アンソニー・マッキー)のもとへ行くと、彼が秘密任務につくA.I.アンドロイドだと判明。
リオ大尉の指示通り、テロ集団・グラズニーの首領ヴィクトル・コバルによる、冷戦時代の核兵器乗っ取りの阻止をサポートすることに。
リオの正体は、エックハート大佐(マイケル・ケリー)しか知らず、表向きは市民へのワクチン供給者を装うことに。リオとハープは難民施設にいる情報提供者の女性ソフィヤ(エミリー・ビーチャム)のもとへ、危険な前線をかいくぐって会いに行った。
ソフィヤは、コバルが核兵器のコードを奪いにドニプロ銀行へ向かったと話す。
リオ大尉は、敵に見つからないようにと、銀行へ行く前に体内の追跡装置をハープに外させた。
テロ集団グラズニーは銀行で一般市民を人質に取っていた。リオ大尉とハープは中に侵入。リオは敵を倒しながら、コードを持った人物を追いかける。ハープは市民を外へ誘導。しかし、応援にきた米軍のガンプ部隊(ロボ部隊)と敵で激しい銃撃戦になってしまい、市民が巻き込まれる。
最終的に銀行はミサイルで爆破され、リオも巻き込まれた。
転:リオ大尉の真の狙いとは?
ハープはソフィヤに捉えられる、彼女の正体は市民軍の首領だった。ソフィヤは、戦争の撲滅を使命とするリオが、争いの根源は米国だと考え核兵器を手に入れる気だと語る。
リオは米軍の命令から外れるために、間違った判断ばかり下すハープをパートナーに指名して人間の命令を無効にし、フェイルセーフ装置を外させたのだ。
生きていたリオはコバル(ピルウ・アスベック)のアジトにつき、核施設の場所を聞き出してから皆殺しにした。
結:リオとハープの決断
ソフィヤに解放されたハープはエックハート大佐にリオの狙いを話し、同僚のドローン操縦士・ベイル(クリスティーナ・トンテリ・ヤング)に依頼し、リオが向かう核施設ダストリンズ・コンビナートへ急ぐ。
リオはコードを挿入し、米国への核発射を起動。やってきたハープに、100万人を犠牲にして世界を救うためだと説明する。ハープは首を圧迫され気絶してしまうが、立ち上がり、焼夷弾でリオを撃ちまくり戦闘不能状態にした。リオは「自律サイボーグを戦争に導入したら戦争が大きくなる。それを止めるためだ」と言い残した。ハープは「人間は成長できる」と言い残してその場を去る。
ハープは施設から脱出し、ミサイルが打ち込まれて核の発射はなんとか止められる
映画『デンジャー・ゾーン』終わり。
『デンジャー・ゾーン』ストーリーのわかりやすい説明
『デンジャー・ゾーン』はとっても複雑なわけではないけど、終盤の相関関係が少しごちゃっとしてたのでそれも含めてA.I.のリオ大尉が何をしたかったのか説明する。
結論から言うと、リオは自分のような自律思考を持つA.I.が戦争に参加すると、争いがさらに拡大すると考え、それを阻止するために行動していた。自分を作ったアメリカ米国の一部を核攻撃して技術を失わせようとしていたのだ。
ソフィヤが言っていたように、負の連鎖の中心はアメリカだという理由もあると思うが、メインはA.I.技術の撲滅だろう。
リオのような高次元のA.I.ロボが、なぜ争いを拡大するのか詳しくは語られていなかったが、彼のように人間の言うことを聞かずA.I.兵士たちが勝手に行動した結果、戦争だらけになってしまうと考えたのだろう。
つまりは、ターミネーターでいう“スカイネット”を阻止を描いたのがこの映画なのだ。
デンジャー・ゾーンの結論まとめ
アクションがかっこよくて、戦争をどうやって終わらせるかを人工知能を使って描いたというのは素晴らしいけど、結論がちょっとあやふやなのが、かなりもったいなかった。
自分の考えに固執しすぎだったハープ中尉が徐々に成長するのはよかった。
まあ、佳作でしょう。
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