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天才チェス少女『クイーンズギャンビット』ネタバレあらすじ解説・最終回の結末考察!ドラッグ漬けの感想・評価

Netflixオリジナルドラマ『クイーンズ・ギャンビッド』

Netflixオリジナルドラマ『クイーンズギャンビット(原題:The Queen's Gambit)』が面白い!全世界で6200万回以上視聴され、新記録を打ち立てたのも素直にうなづける。

1960年代アメリカのアンティークな雰囲気がイケてて、チェスのルールを知らなくても全然問題なく見られる。冷戦期の天才チェス少女の魅力と危うさを、アニャ・テイラー=ジョイが完璧に演じきった。

記事では、リミテッドシリーズ1 の各話のネタバレあらすじや、緑色の薬などについて徹底解説。

ちなみに、タイトルのクイーンズギャンビットは、捨て駒を取らせて有利な陣取りをするチェスの定跡(じょうせき)のこと。

 

『クイーンズギャンビット』ネタバレ感想・考察・評価まとめ

『クイーンズ・ギャンビッド』

本ドラマの個人的な評価は88点くらいで、とっても楽しめた。

まず、1960年代のアメリカの街並みや建物、ファッションがとってもかっこいい。60年代アメリカファッションは現代でもリバイバルされて流行っているので、若者たちに絶対刺さるだろう。

そして、アニャ・テイラー=ジョイが可愛すぎる。可愛いだけでなく個性的なのが素敵。ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』アリア役のメイジー・ウィリアムズに匹敵するキュートさ。

さらにストーリーは、まさにおしゃれでダウナーな人生ロードムービーという印象で、とてもきれいにまとまっていた。

特に、最終回7話は秀逸。

天才的な頭脳を持つが不幸になった母の呪縛を、ドラッグを捨てて断ち切る。

初恋のタウンズと再会し、恋愛に前向きになる。

ある意味父のような超えられない壁、ボルゴフに勝利して認められる。

シャイベルとの友情に再び感謝し、ソ連の老人たちに囲まれてチェス。

そんな感じで、主人公ベスの生き方が肯定された、最高の終わり方だった。

危うさを持つ少女が、苦しみながらもなりたい自分になれたのだ。

シーズン2を期待したいが、主人公ベスは過去を克服して世界王者になりきれいに終わったので、次の展開は難しいだろう。

あるとすれば、再び堕落するとか…?それはあまり見たくないかも。

緑色のドラッグ解説/Xanzolam(キサンゾラム)

緑色のドラッグ・Xanzolam(キサンゾラム)

ベスが養護施設で飲みまくって依存したドラッグ、緑の精神安定剤はXanzolam(キサンゾラム)と呼ばれており、現実には存在しない。

このキサンゾラムは、1960年代にアメリカで流行った、ベンゾジアゼピン系抗不安薬・クロルジアゼポキシドを使ったリブリウムがモデルになっていると考えられている。

リブリウムは不安や緊張、パニックを和らげる効果があるが、依存性があり摂取しすぎると、視覚や記憶など認知機能に悪影響を与えるらしい。

ベスみたいに、チェスを天井に思い描けるかどうかは不明だが、もしかするとそんな作用もあるのかもしれない。

ちなみにベスは4話ぐらいから普通にリブリウムを買って服用。

『クイーンズギャンビット』登場人物とキャスト解説

ベス・ハーモン/アニャ・テイラー=ジョイ

子どもの頃に交通事故で母親を失い、養護施設でチェスの才能が開花する。その後は義母のアルマに引き取られ、チェスの大会を荒らす。リブリウムなどの抗不安薬をドラッグとして常用している。

女優のアニャ・テイラー=ジョイは、映画『ウィッチ』や、シャラマン監督の『スプリット』『ミスター・ガラス』への出演で知られる。

ジョリーン/モーゼス・イングラム

ベスが養護施設で友だちになった黒人少女。言葉遣いがとっても汚い。

タウンズ/ジェイコブ・フォーチューン=ロイド

州大会に出ていた大学生。少女ベスは彼に一目惚れする。その後、タウンズは記者になった。

ハリー・ベルティック/ハリー・メリング

ケンタッキー州のチャンピオンだったが、ベスに敗れる。その後、ベスをなにかと気にかけている。

俳優ハリー・メリングは映画『ハリーポッター』シリーズのダドリー・ダーズリー役で有名。

ベニーワッツ/トーマス・ブロディ=サングスター

ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』のジョジェン役や、映画『メイズランナー』のニュート役で有名。

クイーンズギャンビット1話『オープニング』ネタバレ

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用務員のシャイベルとチェスを打ベス

エリザベス・ハーモン(ベス/アイラ・ジョンストン )が9歳のとき、母・アリスが運転していた車が大事故に。母は死亡し、ベスはメスーエン養護施設へ入れられる。そこで黒人少女・ジョリーンと仲良くなった。

ある日、用務員のシャイベルとチェスをすることになり、ベスはゲームの魅力に取り憑かれる。施設ではいつも栄養剤と緑の精神安定剤(Xanzolam:キサンゾラム)が孤児たちに処方されていたが、ベスはそのドラッグ作用によって、寝る前に天井にチェスの駒を並べて過ごすようになっていた。

あっという間にシャイベルを負かし、ガンツという教師に紹介されてダンカン高校のチェスクラブで、全員と同時対局して勝ってしまう。

まもなくキサンゾラムは子どもに禁止となり、依存しているベスは係員の部屋に忍び込んで、薬を大量に飲み倒れる。

クイーンズギャンビット2話『エクスチェンジ』ネタバレ

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ベスとベルティックのチェス州大会決勝戦

14歳になったベス(アニャ・テイラー=ジョイ)は、薬を盗んだ件でチェスを禁止されていた。彼女は施設を出て、アルマとオールストン夫妻に引き取られることに。

学校では他の女子になじめず、アルマ夫人の生活は酒と緑の薬・キサンゾラムで荒んでいく。夫のオールストンは、西部で拘留されてしまったようだ。

ケンタッキー州のチェス大会が開催されることになり、施設のシャイベルに手紙を書いて参加費の5ドルを送ってもらった。大会でL.A.で5位の力を持つ大学生のタウンズに勝利。彼のことを異性として好きになった。その直後にはじめての生理を経験してパニックに。

決勝では実力者のベルティックに勝利し、新聞に載った。

アルマ夫人は喜び、ベスはシンシナティ大会に参加することになった。

クイーンズギャンビット3話『ダブルポーン』あらすじ

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3話『ダブルポーン』

1963年、ベスはシンシナティ大会でルドルフに勝って優勝。学校へは行かず、義母アルマの同行で、チェスの大会で荒稼ぎする日々を過ごし、業界の注目を集めていた。

1966年ラスベガスでの全米オープン。ベスは記者になっていたタウンズに再会し取材を受ける。二人は見つめ合い、いい雰囲気になるが、男女の中にはならなかった。そのあと、USチャンピオンのベニーワッツと戦って敗れ、ひどく落ち込んだ。(大会は同率優勝)

クイーンズギャンビット4話『ミドルゲーム』あらすじネタバレ

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4話『ミドルゲーム』ベスとジョルジ・ギレフ

17歳のベスは、大学の講義に参加してロシア語を習い、そこの生徒と男女の関係になった。その後、フェアフィールド高校を卒業し、メキシコシティで開かれる大会にゲストとして参加。義母アルマは文通していたメキシコ人男性・マヌエルと楽しく過ごしている。

ベスは、13歳の天才少年ジョルジ・ギレフに勝利。決勝で世界チャンピオンでロシア人のボルゴフと対戦するが、あっさり敗北して雪辱を味わった。その直後、部屋でアルマが肝炎により死亡。

クイーンズギャンビット5話『フォーク』ネタバレ

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ベスとベニーワッツ

義母の死と敗戦が重なり、自宅で失意に溺れるベス。州大会で対戦したハリー・ベルティックが家をたずねて、チェスの話などをしているうちに男女の中に。

ベルディックはベスの家に住むことになる。しかし、しばらくすると彼女との実力の隔たりや、ドラッグ使用などに思うところがあり、出て行ってしまう。

1967年、ベスはオハイオ州で米国チェス選手権に参加。以前敗北したベニー・ワッツも出場していた。カフェでのチェスの早さし勝負でベニーに歯が立たなかったが、翌日の決勝戦では見事勝利してリベンジに成功。

2人はそのままバーへ飲みに行き、ベニーは「ロシアへ行く前にニューヨークの自宅で一緒に勉強しよう」とベスを誘う。

クイーンズギャンビット6話『中断』ネタバレ

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6話『中断』

ベスはベニーの車でニューヨークに到着。地下にある彼の家で、協力してチェスの特訓をする。ある日、ヒルトンやアーサーといったベニーの友だちがやってくる。ベスは3人と同時に早差しをして、勝ち続けた。その夜、ベニーと男女の関係になる。

1697年パリ大会。ベスは順調に勝っていくが、決勝戦の前夜にベニー宅で会ったクレオという女性とバーで飲み、二人はそのまま男遊びをする。

翌日ベスは寝坊し、ボルゴフと対峙。しかし酒を飲んでいたことを見抜かれ完敗して泣いた。

ケンタッキー州に戻ったベスは、義父ウィートリーから7000ドルで家を買い、ひたすら酒を飲んで踊る荒んだ生活に陥る。久しぶりに出た州大会で心配したベルティックが駆けつけ、動揺したベスは大会をドタキャン。

家にこもっていると、児童施設での友だちジョリーンが訪ねてくる。

クイーンズギャンビット最終回7話『エンドゲーム』ネタバレ

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『クイーンズ・ギャンビッド』最終話のベス(アニャ・テイラー・ジョイ)

ジョリーンから施設の用務員・シャイベルが死んだと聞き、二人は葬式へ。そのあと施設の中に入り、シャイベルとチェスをした地下室へ行くと、ベスの新聞の切り抜きが壁一面に貼ってあるのを見つけ、涙を流した。

クリスチャンの支援団体が反共産主義について声明を出せと要求したので、ベスは寄付を全額返金。

モスクワ大会への旅費がなくなって困ったのでベニーに電話するが、金はないと言われる。法律事務所で働くジョリーンが貯金を貸してくれると言った。

1968年、ついにモスクワ到着。国務省から一人護衛がついてきた。

大会が始まり、ベスはラエフやデュアメルといった強豪に勝ち、ついに元世界チャンピオンのルチェンコからも勝ちをもぎ取る。

夜、ベスは薬をトイレに捨てる。

ソ連のチェスファンたちが大注目する中、ボルゴフと決勝戦が始まる。その日は決着が着かず、次の日へ持ち越しに。会場を出ると、記者の中にレキシトンから来たタウンズがいる。ベスは彼に抱きついた。

次の日、ベニーやハリーが国際電話してきて、みんなで必死に考えたボルゴフ対策が伝えられた。

対局が再びスタート。ボルゴフが予想していない手を打ちベスは困惑する。深呼吸をして天井を眺めると駒が高速で動きだし、起死回生の一手で切り返した。

ボルゴフは負けを認め、ベスはついに勝利を手にする。

翌日、街を歩くと朝から公園でチェスを指す老人たちがいる。彼らはベスを見つけて勝利を称えた。そして一局指すことになる。

『クイーンズギャンビット』リミテッドシリーズ1 完結

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